話題株ピックアップ【昼刊】:古野電、ラクトJ、トレファク

古野電 <日足> 「株探」多機能チャートより
■古野電気 <6814>  4,200円  +360 円 (+9.4%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位  古野電気<6814>は急伸。連日で上場来高値を更新した。9日取引終了後に3~5月期連結決算を発表。売上高は前年同期比11.0%増の312億9600万円、営業利益は同30.8%増の34億3800万円だった。これを好感した買いが流入している。新造船向け販売が増加したほか、既存船のリプレイス需要や保守サービス需要が好調だった。防衛装備品事業については生産能力強化を目的とした新たな生産管理システムの導入に伴った一時的な運用調整が生じ、生産出来高が減少した。なお、通期の増収減益見通しは据え置いている。

■ラクト・ジャパン <3139>  4,050円  +305 円 (+8.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率4位

 ラクト・ジャパン<3139>は物色人気を集めている。9日取引終了後、25年11月期連結業績予想について売上高を1800億円から1880億円(前期比10.0%増)へ、純利益を33億円から43億5000万円(同38.3%増)へ上方修正すると発表。これが好感されている。アジア事業のチーズ製造販売部門の販売数量は価格改定の影響などで期初計画をやや下回ったものの、それ以外の部門の販売数量は期初計画を上回り好調に推移し、上期売上高が計画を上回ったことが要因。加えて、国内事業の乳原料・チーズ部門及びアジア事業のチーズ製造販売部門の利益率が想定より改善していることや、前期に発生した一部商品の品質不良に関わる受取補償金を営業外収益として計上することも寄与する。

■トレファク <3093>  1,882円  +139 円 (+8.0%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位

 トレジャー・ファクトリー<3093>は反発。9日取引終了後に第1四半期(3~5月)連結決算を発表し、売上高は118億4300万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は14億9600万円(同10.9%増)、純利益は9億9800万円(同8.2%増)となった。これが買い材料視されている。底堅いリユース需要により、主力の衣料をはじめスポーツ・アウトドア・楽器といったホビー用品などが伸長したほか、インバウンド需要の継続でブランドバッグなどの服飾雑貨が好調に推移し、既存店売上高が5月まで45カ月連続で前年実績を上回ったことが牽引した。また、前期出店店舗の成長と新規出店効果も売上高を押し上げた。人員増加や新規出店に伴う先行コスト増などがあったが、増収効果により吸収し売上高・営業利益は第1四半期として過去最高を更新した。なお、26年2月期通期業績予想は、売上高462億5200万円(前期比9.6%増)、営業利益44億2000万円(同9.5%増)、純利益30億800万円(同11.0%増)の従来見通しを据え置いている。

■サイゼリヤ <7581>  5,200円  +225 円 (+4.5%)  11:30現在

 サイゼリヤ<7581>は3日続伸。9日取引終了後、25年8月期の期末一括配当予想を25円から30円(前期25円)に増額修正した。これを好感した買いを集めている。同時に発表した第3四半期累計(24年9月~25年5月)連結決算は、売上高1883億3900万円(前年同期比15.4%増)、営業利益106億800万円(同5.4%増)、純利益77億8400万円(同50.4%増)だった。コメ価格の高騰や円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けたものの、ゾーンマネジャーの増員による店舗組織の改善、メニュー施策やDX活用の効果などにより既存店の客数、客単価が引き続き増加傾向にあることが牽引した。また、アジアで新規出店を継続的に進めたことも寄与した。なお、今期見通しは据え置いている。

■ミニストップ <9946>  1,875円  +28 円 (+1.5%)  11:30現在

 ミニストップ<9946>が4日続伸。同社は9日の取引終了後、第1四半期(3~5月)連結決算を発表した。売上高にあたる営業総収入が前年同期比15.4%増の237億2100万円、経常損益は1億1600万円の黒字(前年同期は12億3100万円の赤字)となった。最終損益は1億5100万円の赤字(同11億3500万円の赤字)だった。MD(マーチャンダイジング)における価格設定や商品ラインアップの改定、店内加工における高付加価値商品の刷新と品ぞろえの拡充などが奏功した。国内の店舗事業の収益が伸長するとともに販管費の削減が進み、収益が改善したことが好感されている。

■MTG <7806>  4,205円  +55 円 (+1.3%)  11:30現在

 MTG<7806>は4日続伸し、新値追い。同社は9日、24時間リカバリーウェア「ReD(レッド)」の販売を10日から開始すると発表しており、期待感が高まるかたちとなっているようだ。なお、9日には全国1007の調剤薬局で「ReD」の取り扱いが決まったと発表。このほか、8日にスギホールディングス<7649>傘下のスギ薬局の1500店舗以上で取り扱われることや、7日に全国942の病院内ショップで販売されることも明らかにしている。

■ライフネット生命保険 <7157>  2,127円  +22 円 (+1.1%)  11:30現在

 ライフネット生命保険<7157>が続伸している。同社は9日の取引終了後、6月の業績速報を公表した。保有契約年換算保険料は前年同月比19%増の352億1500万円と、増収基調を維持しており、株価の支援材料となったようだ。6月末の個人保険における保有契約年換算保険料は同6%増の272億9100万円。団体信用生命保険による保有契約年換算保険料は同2.1倍の79億2300万円となった。

■アドバンテスト <6857>  10,990円  +10 円 (+0.1%)  11:30現在

 アドバンテスト<6857>が6連騰で連日の上場来高値更新と強さを発揮しているほか、ディスコ<6146>も切り返すなど半導製造装置関連株への買いが優勢となっている。前日の米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら続伸し年初来高値を更新した。そのなか、個別では画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が2%近い上昇で上場来高値を更新、時価総額が世界で初めて4兆ドル台に乗せる場面があった。生成AI市場の拡大を背景にAI用半導体需要も増勢一途にあり、エヌビディアの収益成長に対する期待感が改めて高まっている。これを受け、エヌビディアの最先端半導体向けに半導体検査装置を納入するアドテストなどの株価も強く刺激される格好となっている。

■イオン <8267>  4,348円  -192 円 (-4.2%)  11:30現在  東証プライム 下落率5位

 イオン<8267>が大幅に3日続落。イオンフィナンシャルサービス<8570>が3日ぶりに急反落した。両社は9日の取引終了後、26年2月期第1四半期(3~5月)決算の発表を延期すると開示。これを嫌気した売りが膨らんだようだ。イオンは11日、同社の連結子会社であるイオンFSは10日の発表を予定していたが、イオンFSが今年2月に持ち分を取得したベトナムのファイナンス会社で買収前の不適切会計処理が発覚しており、協議や事業計画の策定に時間を要する見込みとなった。

■フジHD <4676>  3,296円  -132 円 (-3.9%)  11:30現在  東証プライム 下落率8位

 フジ・メディア・ホールディングス<4676>は急反落している。同社は10日、大規模買付行為などに対する対応方針を導入すると発表した。旧村上ファンド系のレノ(東京都渋谷区)らがフジHD株の買い増しに動くなか、大規模買付者が対応方針に従わない場合は、企業価値や株主共同の利益の最大化を図る観点から、独立委員会の意見を尊重し、一定の対抗措置を講じる。対抗措置として新株予約権の無償割り当ての実施を挙げており、1株利益の潜在的な希薄化リスクを意識した売りが出たようだ。あわせて同社は臨時株主総会の招集のための基準日を7月27日とすることも決めた。

■マニー <7730>  1,218円  -30 円 (-2.4%)  11:30現在

 マニー<7730>は軟調。9日取引終了後、25年8月期の連結業績予想について売上高を302億円から296億円(前期比3.8%増)へ、営業利益を89億円から79億円(同5.9%減)へ、純利益を63億5000万円から54億5000万円(同13.3%減)へ下方修正した。中国で販売した「マニーダイヤバー」の自主回収の影響を考慮したほか、米国トランプ政権の関税政策による影響を織り込んだ。これがネガティブ視されている。

■コクサイエレ <6525>  3,188円  -69 円 (-2.1%)  11:30現在

 KOKUSAI ELECTRIC<6525>が5日続落した。同社は9日の取引終了後、筆頭株主である米KKR<KKR>が保有するコクサイエレ株の一部を売却すると発表した。株式の需給悪化を懸念した売りが出たようだ。KKRは筆頭株主から外れ、アプライド・マテリアルズ<AMAT>の欧州法人が新たに筆頭株主となる見込み。KKRの議決権ベースでの保有割合は23.48%から10.60%に低下する。

■エービーシー・マート <2670>  2,993.5円  -51.5 円 (-1.7%)  11:30現在

 エービーシー・マート<2670>が5日ぶりに反落。同社は9日の取引終了後、26年2月期第1四半期(3~5月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.5%増の976億9800万円、営業利益が同1.9%増の187億5700万円だったものの、最終利益は同1.2%減の129億5300万円で着地した。為替が円高に振れたことで為替差損を計上した。海外での売上高が前年同期比7.2%減の260億9900万円、セグメント利益が同51.5%減の10億7400万円になった。韓国や台湾などが減収減益だった。

■ディー・エル・イー <3686>  197円  +50 円 (+34.0%) ストップ高買い気配   11:30現在

 ディー・エル・イー<3686>が急速人気化。寄り付きから大量の買い注文を集め、商いが成立しないまま50円高はストップ高となる197円カイ気配に張り付いている。IP(知的財産権)ビジネスを手掛けK―POPなどにも展開するが、業績はトップラインが拡大基調にあるものの、営業損益は赤字が続いている状況にある。そうしたなか、9日取引終了後にベンチャーキャピタルの日本アジア投資<8518>と業務提携することを発表、IP取得のための協働ファンドの組成・運営などで連携する計画にあり、これを手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が集中する格好となった。

■アズ企画設計 <3490>  2,750円  +248 円 (+9.9%)  11:30現在

 アズ企画設計<3490>が急騰。9日の取引終了後、26年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。売上高が前年同期比3.2倍の22億円で、最終損益は6200万円の黒字(前年同期は1億7200万円の赤字)となった。不動産販売事業は大型不動産の販売と大型仲介成約がまとまり、売上高が4倍の19億5234万円、セグメント損益が2億356万円の黒字(同1億6147万円の赤字)となり全体をけん引した。あわせて同社は株主優待を拡充すると公表。従来は100株以上を保有する株主を対象に、QUOカード3000円分を年に2回贈呈していたが、今後は半年以上の継続保有を条件に、保有株数に応じて4000~1万5000円分のQUOカードを年2回贈る。 ●ストップ高銘柄

 レナサイエンス <4889>  2,933円  +500 円 (+20.6%) ストップ高   11:30現在

 TORICO <7138>  893円  +150 円 (+20.2%) ストップ高買い気配   11:30現在  など、3銘柄 ●ストップ安銘柄  なし 株探ニュース

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