米ドル/円は、日米の金融政策会合を終えて底堅さを再確認! 増加していた投機筋の円買いポジションは大打撃!? 円を積極的に買い仕掛ける理由は見つからず!

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日米の金融政策会合を通過したが、米ドル/円は底堅い値動きが続いている

 先ほど(9月19日)日銀は金利据え置きを決定した。ただし、保有ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の市場売却開始を表明し、また利上げを主張する理事が2人いることが明らかになると、米ドル/円は昨日(9月18日)の高値(148.27円)から目先まで約1円程度の反落を見せている。しかし、それでも米ドル/円は底堅いとみる

 東京時間9月18日(木)未明、FRB(米連邦準備制度理事会)は市場の予想どおり、0.25%の利下げを決定した。それを受けた米ドル/円はいったん145.48円まで安値をトライしたものの、その後買い戻され、146.89円と高く大引けした。既述のように、米利上げを織り込む値動きとなり、底堅い地合いが再度証明された。

 プライスアクションの視点では、9月17日(水)の日足は典型的な「スパイクロー」のサインを点灯し、従来の変動レンジをいったん下放れしたようにみえたものの、大引けをもって回復し、かえってレンジの下限を固めたとみる。換言すれば、同日の安値打診が「ダマシ」になる可能性があり、米ドルの下値追いが失敗に終わったことを示唆している。

米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 そもそも、今回の日銀会合の金利据え置きは確実視されていたから、焦点は来月(10月)利上げの有無にシフトしている。

 状況は流動的とはいえ、基本的には自民党総裁選や米関税の影響の見極めを必要とするなか、日銀の利上げは容易ではないと思われる。

 本日(9月19日)の反落があったものの、値動きがすべての思惑を織り込んでいるなら、少なくとも短期スパンにおいて米ドル/円はこれからも底堅く推移できるとみる。

ドルインデックスの安値更新の有無が1つのバロメーターに。 安値更新がない間は、米ドルの「売られすぎ」が修正される段階か

 もっとも、米金利の先安感は強い。「Fedウォッチ」によると、2025年内の残り2回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、0.25%ずつの利下げが実施されることが想定されている。さらに1年後の2026年9月のFOMC時点では、2.75%~3.0%程度へ引き下げられる可能性がある。それを織り込んでいるのが現在の為替市場だ。

 だからこそ、米ドルの切り返しがあれば、それは米ドル高基調への転換ではなく、あくまで行きすぎた米ドル安への修正、という視点で捉えたい。

 既述のように、ドルインデックスは今年(2026年)前半において、半年間として「史上最大」の下落幅を記録した上、直近まで安値をいったん更新したていたから、修正の余地も比例して大きいかと推測される。

ドルインデックス 日足

(出所:TradingView

 ドルインデックスは9月17日(水)にいったん95.60まで下落し、安値を打診したものの、昨日(9月18日)97の節目手前まで回復した。となると、7月安値の96.00に対するいったんの安値更新自体も、「ダマシ」の可能性が大きい。

 換言すれば、これからドルインデックスの安値更新の有無が1つのバロメーターとして重視されるだろう。安値更新なしでは、米ドル全体の「売られすぎ」が修正される段階にあり、弱かった円も一段と修正されやすいかとみる。

 実際、今回のFOMC直前において、円買いポジションが再び増加傾向にあった。国際的な投機筋は2025年年初来、円買いポジションを積み上げており、4月時点では買い越しとして記録上最大規模まで膨らませたが、その後の市況によって大分打撃を受けたはずだ。

CFTC(米国商品先物取引委員会) 円ポジション

(出所:TradingView

 今回も然りで、円買いポジションの増加、その後の反転(すなわち円売り)の土台と化しやすいから、米利下げでも円が売られる可能性を無視できない。

米10年物国債利回りは反発して4%の大台を維持。大きく割り込まない限り、米ドルも米ドル/円も底堅く推移する可能性大!

 もっとも、米ドルの方向性を決定する米10年物国債利回りをみてみると、昨日(9月18日)もしっかり反発しており、その後も4%の大台を維持している

米10年物国債利回り 日足

(出所:TradingView

 ここから大きく割り込まない限り、米ドル全体も米ドル/円も市場の想定より底固く推移する可能性が大きい。

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の代表格であるユーロ/円も目先ユーロ高・円安の方向を示している。米ドル全体の強弱に隠された形で鮮明でなかったが、円全体が弱いことが露呈しており、積極的な円買いを仕掛ける理由が見付からない。

ユーロ/円 月足

(出所:TradingView

 ちなみに、ゼロ金利のスイスフランは対円で史上最高値を更新している。

スイスフラン/円 月足

(出所:TradingView

 ひと昔前は、安全資産と見なされた円も一時スイスフランと連動していたが、今はその面影も見られない。だからこそ、円を安易に買えない。それに尽きる。市況はいかに。

 14:00執筆

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