ポンドが下落、一時7カ月ぶり安値-リーブス氏が厳しい英財政に言及
Alice Gledhill
4日の外国為替市場で一時、ポンドが7カ月ぶり安値に下落、英国債は上昇した。リーブス財務相が英国の財政難に言及したことを受けた動きで、今月下旬に予定される予算案発表に市場がどう反応するかを占う一端となった。
ポンドは一時、対ドルで0.6%下落して1.3059ドルと、4月に米国の関税措置が世界市場を揺るがした時以来の安値を記録した。30年債利回りも同月以来の低水準を付けた。リーブス氏が高金利への対応が必要だと指摘したことが手掛かりだったが、具体的な政策が示されなかったことで投資家の失望を招き、その後、利回りは下げ幅を縮小した。
リーブス氏は異例の形で、11月26日の予算案発表に先立ち、財政運営の判断根拠を説明した。増税の可能性をめぐる観測が広がる中、同氏は保守党前政権や世界的な貿易摩擦が英国経済に打撃を与えたと批判した。
政府債務の削減が予算の優先課題であり、英国経済をより持続可能な基盤に乗せることを目指すと、リーブス氏は言明。一方で、労働党が掲げる広範な増税は行わないとのマニフェストをあらためて表明することは避けた。
JPモルガン・アセット・マネジメントで国際債券部門の最高投資責任者(CIO)を務めるイアン・スティーリー氏は、今回のリーブス氏の発言で「新たに多くを学んだとは言えない」と述べた。そのうえで、政府がインフレを助長する政策を避けなければならないと理解している点は、債券投資家にとって「最も重要なことだ」と付け加えた。
原題:Pound Slides as Reeves Shows ‘Stark Reality’ Facing UK Finances
(抜粋)
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