ベッセント長官、エヌビディア「ブラックウェル」対中輸出容認に含み

ベッセント米財務長官は米エヌビディアが開発した最先端人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」について、将来的に中国企業への販売が認められる可能性があるとの見方を示した。同長官はまた、来年には米中の首脳会談が再び行われる可能性をほのめかした。

  ベッセント氏は4日、経済専門局CNBCとのインタビューでブラックウェルを、半導体技術という「王冠の宝石」と表現しながらも、技術進化の速さを踏まえれば比較的早い時期に他製品に追いつかれる可能性があり、その段階で中国への販売が検討され得ると語った。

  「今のブラックウェルはまさに王冠の宝石だ」とベッセント氏は述べ、「問題は交渉の進展速度ではなく、技術革新の速度そのものだ。将来的に認められる可能性はある」と続けた。

  「12カ月先か24カ月先かは分からないが」、エヌビディアでの「驚異的な技術革新を考えると、ブラックウェルの性能はいずれ最先端から2-4世代下に位置するかもしれず、その時点で販売が可能になるかもしれない」と述べた。

  エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は10月31日、ブラックウェルを中国顧客に販売する希望は依然として持っているが、現時点では具体的な計画はないと述べた。

関連記事:トランプ氏、エヌビディアのブラックウェルは「他人」に渡さず

  ベッセント長官はこの日のインタビューで、来年12月に予定されている20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が再会する可能性があるとも示唆した。同サミットはトランプ氏がフロリダ州ドラルに所有するゴルフリゾートで開催される。11月に中国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)会合でも両首脳が顔を合わせる可能性があるという。

  これらの会合とは別に、来年は両国の間で2回の国賓訪問が予定されているという。

  ベッセント氏は「来年は2度の国賓訪問が行われる。トランプ大統領が北京を訪問し、習主席も米国を訪れる。そしてドラルでのG20会合、深圳でのAPEC会議でも再会する可能性がある」と述べた。

原題:Bessent Suggests High-End Nvidia Chips Could Go to China One Day(抜粋)

— 取材協力 Bryan Pietsch

関連記事: