世紀の空売りのバーリ氏-エヌビディア、パランティアに弱気ポジション

2008年の金融危機前に住宅市場の崩壊に賭けた「世紀の空売り」で有名になったマイケル・バーリ氏が率いるヘッジファンド会社サイオン・アセット・マネジメントは、エヌビディアとパランティア・テクノロジーズ株に対する弱気のポジションを開示した。バーリ氏は数日前に、個人投資家の過熱ぶりに警鐘を鳴らす謎めいた投稿を行っていた。

  3日に公開された米証券取引委員会(SEC)へ13F報告書によると、サイオンはエヌビディアとパランティアの株価下落で利益を得られるプットオプションを購入していた。同報告書によると、ハリバートンとファイザーのコールオプションも保有していた。

  パランティア株は4日の米市場開場前取引で一時8.1%下落した。エヌビディア株も一時2.6%安となった。

  ここ数カ月には、OpenAIやエヌビディアなど人工知能(AI)関連企業の間で資金が循環するだけで実質のない取引が行われ、AIブームが実態以上に大きく見えているのではないかとの懸念が強まっている。

  バーリ氏は先週、「sometimes, we see bubbles(時に、私たちはバブルを見る)」とX(旧ツイッター)に投稿した。投稿には同氏を有名にした映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)」で自身を描いたキャラクターの画像が添えられていた。

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  さらに3日夜には、エヌビディアを含む企業の循環的な資金取引をめぐる懸念を報じたブルームバーグの記事のグラフィックなど、複数の画像を自身のアカウントに投稿した。

  バーリ氏がエヌビディアに対して弱気の賭けを行うのは初めてではない。開示資料によると、サイオンは1-3月(第1四半期)に上場株式ポートフォリオのほぼ全てを売却し、エヌビディアや米国上場の中国ハイテク企業に対するプットオプションを購入していた。

  サイオンはコメント要請に対し直ちには回答しなかった。

原題:Burry Discloses Puts on Nvidia and Palantir After Bubble Warning(抜粋)

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