WHOが「緊急事態」宣言、今回のエボラ出血熱流行について分かっていること

世界保健機関(WHO)はアフリカのコンゴ民主共和国とウガンダで流行しているエボラ出血熱について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した/Jospin Mwisha/AFP/Getty Images

(CNN) 世界保健機関(WHO)は17日、アフリカのコンゴ民主共和国とウガンダで流行しているエボラ出血熱について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

WHOによると、今回の流行は、エボラ出血熱を引き起こすオルソエボラウイルスの一種、ブンディブギョ株が原因となっている。

現時点ではまだ「パンデミック(世界的大流行)緊急事態」の水準には達していない。しかし症例数は増えており、感染が疑われる死者は少なくとも80人に上る。ブンディブギョ株に対しては承認された治療薬もワクチンも存在せず、感染拡大防止対策の実効性をめぐって不安は増大している。

アフリカ疾病対策センター(CDC)によると、エボラ出血熱は感染者の体液に直接触れることで感染する。

感染すると発熱、倦怠(けんたい)感、筋肉痛、頭痛、のどの痛みなどに続き、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛などの症状が表れる。重症化すると内出血や外出血を引き起こして死に至ることもある。

エボラ関連で確認されている6種のウイルスのうち、大規模な流行を引き起こすことが分かっているのはエボラ、スーダン、ブンディブギョの3種のみ。

WHOによると、コンゴ民主共和国では16日までに、ウガンダと国境を接する北東部のイトゥリ州で感染の疑いがある少なくとも80人が死亡した。感染確認は8例、感染の疑いがある症例は246例に上る。

17日にはWHOが、同国の首都キンシャサでもさらに1例が確認されたと発表したが、その後、この人物はブンディブギョ株の検査で陰性だったと説明した。

同国東部の都市ゴマを制圧する反政府勢力連合AFC/M23によれば、同地でもエボラの症例が少なくとも1例発見されているという。

WHOによれば、ウガンダでは首都カンパラでこれまでに2例が確認され、うち1人は死亡した。いずれもコンゴ民主共和国からの渡航者だった。

過去にエボラ出血熱が流行した際の致死率は25~90%と幅があり、平均すると約50%だった。

イトゥリ州で対応にあたっている医療支援団体の国境なき医師団によると、ブンディブギョ株の致死率は25~40%と推定されている。

「これほどの短期間で感染者や死者が増え、複数の保健区や国境をまたいで感染が拡大していることは、極めて憂慮すべき事態」と同団体は述べ、イトゥリ州は治安情勢が悪く治療を受けるのが難しい人も多いと指摘。これ以上の感染拡大を食い止めるためには迅速な対応が欠かせないと強調した。

エボラウイルスは感染力が強く、ごく少量でも感染することがある。一方、空気感染はしないことから伝染性はそれほど強くないとされる。

国境なき医師団によると、ブンディブギョ株によるエボラ出血熱の流行は、2007~08年のウガンダと12年のコンゴ民主共和国に続き、3度目だった。

コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が流行するのは、1976年に発見されて以来、17度目となる。

WHOは今回の流行を国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に分類した理由について、疑いのある死亡例や確認された症例の数と、疑いのある症例数の増加を挙げている。実際にどの程度の流行が起きているのかは不明だが、「現時点で確認・報告されているよりもはるかに大規模な流行が起きている可能性」をうかがわせる兆候があるとしている。

さらに、コンゴ民主共和国と国境を接する複数の国に感染が拡大する危険が大きいことも、重大な懸念材料となっている。

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