台湾、すでに独立国と表明 トランプ氏の警告受け
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台湾の頼清徳総統は17日、台湾は「主権を持つ独立した民主主義国」で、「どのような圧力を受けても国の主権と尊厳、そして民主的で自由な生活を手放しはしない」とフェイスブックに書いた。米中首脳会談後にドナルド・トランプ米大統領が台湾について、中国からの独立を自分は望んではいないと発言したことを受けてのもの。
頼総統はフェイスブックに、「『台湾独立』問題などない」と書き、今回のトランプ氏の発言に初めて反応した。「台湾、中華民国は、主権を持つ独立した民主主義国」であり、「台湾の未来はすべての台湾人の意思に従わなくてはならない」と強調した。
総統は、「台湾は紛争を挑発したり悪化させたりしないが、どのような圧力を受けても国の主権と尊厳、そして民主的で自由な生活を手放しはしない」と書いたほか、「台湾は海峡の両側での現状を常にしっかりと守ってきた。その現状を変更しようとしたことはない」と主張した。
さらに、台湾は「平等と尊厳という前提のもと、中国との健全で秩序のとれたやりとりや対話を推進」していきたいとも書きつつ、台湾を強制的に対話に引き込む口実に中国が「統一」を持ち出そうとする動きは受け入れられないとした。
これに先立ち台湾総統府の郭雅慧報道官は16日、台湾が「主権を持つ独立した民主主義国」であることは「自明だ」と声明で述べた。
一方で報道官は、台湾の頼清徳総統が常に、中国との現状維持を重視してきたとも述指摘した。
台湾の頼総統はかつて、台湾はすでに主権国だと自認しているため、正式な独立宣言は必要ないと発言している。
多くの台湾人は、自分たちを中国とは別の国の一員とみなしている。ただ、その大半は、中国からの独立も、中国との統一も宣言しない「現状維持」を望んでいる。
報道官は16日の声明でさらに、「トランプ大統領が第1期政権以来、台湾海峡の安全保障を支持し続けていることに、我が国は感謝している」と述べた。
そのうえで、「台湾は力による平和の実現のため、アメリカとの協力を一層深化させ、台湾海峡の平和と安定が脅かされたり損われたりしないよう取り組む。これは台湾、アメリカ、そして世界の民主主義社会にとって、共通の利益になることだ」と述べた。
中国国営メディアによると、習主席は首脳会談でトランプ氏に、「台湾問題は中米関係の最重要課題」で、「対応を誤れば、両国が衝突、さらには紛争に至る可能性もある」と警告したとされる。
トランプ氏は北京での2日間にわたる首脳会談を経て、米FOXニュースに対し、自分は台湾に関して「いずれの立場にも」コミットしていないと述べた。
トランプ氏は「何も変わっていない。これは言っておく。私は、誰かに独立してほしいとは思っていない。我々は戦争するために、9500マイル(約1万5300キロ)も移動することになっている。私はそんなことは望んでいない。彼ら(台湾)に冷静になってほしい。中国に冷静になってほしい」と話した。
中国は台湾を、自国の領土の一部だとし、統一のために武力を行使することを排除していない。
トランプ政権は昨年、台湾への110億ドル(約1兆7000億円)相当の武器売却を発表。これには高性能ロケット発射装置や様々なミサイルが含まれる。中国は当時これを非難した。
トランプ氏はこの売却について今回の首脳会談後にFOXニュースに聞かれると、「やるかもしれないし、やらないかもしれない」と答えた。
さらに、「こちらは戦争をしたいとは思っていないし、今のままにしておけば、中国はそれでOKだと思う。『アメリカが支援してくれるから独立しよう』なんて誰かが言うことは、望んでいない」とも述べた。
アメリカは法律により台湾に自衛手段を提供する義務を負っているものの、中国との外交関係維持との両立を常に図ってきた。
中国政府との関係を維持するには、「中国の政府は一つしか存在しない」という原則を受け入れることが前提になるため、米政府は以前から、台湾の独立を支持しないという立場をとっている。
中国から米ワシントンへ戻る大統領専用機内で、トランプ氏は記者団に対し、台湾について習主席と「たくさん」話をしたと述べた。しかし、アメリカが台湾を防衛するかどうかについては、言及を避けたという。
習氏は台湾について「とても強い思い」を持っており、「独立への動きを見たくないと思っている」のだとも、トランプ氏は述べた。
中国政府はかねて、台湾の頼総統を「トラブルメーカー」や「(台湾)海峡の両岸の平和の破壊者」などと呼び、公然と嫌悪感を示している。
中国は近年、台湾島周辺での軍事演習を強化している。これによって地域の緊張は高まり、アメリカが築いてきた均衡が試されている。
トランプ氏は記者団に、台湾への武器供与について台湾指導部と協議すると言い、「あなた方も知っている、現在台湾を率いている人物と、話をする必要がある」とも述べた。
アメリカは台湾と正式な外交関係はないが、実質的な非公式な関係を維持している。米大統領は台湾総統と直接協議しないことが慣例となっている。仮に総統との直接協議が行われれば、頼氏を分離主義者とみなす中国政府との間に大きな緊張が生じる可能性が高い。