「ソファに縛りつけられたまま…」「薬を飲まされて暴行される日々が数か月続いた」ISIS最高幹部の“サバヤ(性奴隷)”にされたイラク人女性(26)必死の訴え(NEWSポストセブン)
カリルさんは2021年にISISの支配から解放された後、ドイツの人権団体「ファリダ組織(FGO)」に所属し、ヤジディ教徒の生存者を支援する活動に取り組んでいる。彼女は今、宗教対立によるジェノサイドを根絶するための国際的な支援を訴えている。 ISISに拉致される以前、カリルさんが住んでいたのはイラク北部の静かな「コチョ村」だった。ISISは2014年8月、その村を襲撃。数百人を虐殺し、若い女性や子供らを一斉に拉致したとされている。大手紙国際部記者が解説する。 「ISISの目的は、イスラム教徒と対立しているヤジディ教徒を強制的に改宗させることにありました。 虐殺行為はコチョ村のみならず、多くのヤジディ教徒が住むイラク・シンジャール地区の全域で行われました。ある場所では、ヤジディ教徒に『改宗するか? それとも死ぬか?』と迫り、拒否したらその場で処刑。また別の場所では、男性や年老いた女性を無条件で殺害し、若い女性や子供のみを拉致したと報告されています。少なくとも1万人の命が奪われたとみられ、国連含む複数の国際機関は、この事件を『ジェノサイド(集団虐殺)』に該当すると結論づけています」
拉致された若い女性は、"サバヤ(性奴隷)"と呼ばれた。彼女らは、ISISの支配地域で人身売買されるか、ISIS戦闘員によって監禁され、奴隷生活を余儀なくされたという。 カリルさんは、ISISの最高幹部であるアブ・モハマド・アドナニに囚われていた。カリルさんはそこで、日常的に繰り返される性暴力に怯えながら生活していたことを、2022年3月に中東情報メディア「アル・モニター(AL-Monitor)」で語っている。 「ISISの中枢都市ラッカにあるアドナニの邸宅で、カリルさんは複数の若い女性と共に監禁されていたそうです。ある夜、アドナニは彼女らの部屋にやってきて、24歳のサヒラさんを強引に連れていきました。およそ30分後、カリルさんが耳にしたのはサヒラさんの悲鳴でした。その翌日には別の女性が、さらに翌日にはまた別の女性が連れて行かれるのを、カリルさんは目撃しています」(国際ジャーナリスト) 毎晩、暴行を受けた女性たちが戻ってくる時の様子を、カリルさんは「死体のようだった。彼女たちは何も話さなかった」と証言している。そして1か月後、カリルさんにとって"最悪の事態"が起こる。 「アドナニは、監禁していた女性らを本人の意思に関係なく護衛兵に割り当てました。ただ、カリルさんだけはその場に残されました。それは、カリルさんがアドナニだけの"サバヤ"にされることを意味していました。2014年当時、カリルさんはまだ15歳にも満たない少女でした。必死に叫びながら彼を蹴るなどして抵抗しましたが、手首をソファの脚に縛り付けられ、気を失うまで殴られたとのことです。 アドナニによる暴行は、ソファに縛り付けられた状態で繰り返されました。イスラム教徒にとって重要な礼拝の前後にも平然と暴力は繰り返され、妊娠しないよう薬まで飲まされたようです。カリルさん曰く"悪夢の日々"は、数か月続いたということです」(同前) 米メディア「CNN」の取材によると、ISISに拉致された女性らのなかには、絶望の末に自ら命を絶った者が数百人いるとの証言もある。前出「ルドー」のインタビューにおいて、カリルさんは次のように語っている。 〈国際的な支援がなければ、同様の犯罪は繰り返される可能性がある〉〈私が公の場で語る理由は、ジェノサイドが2度と我々の身に起こらないようにするためだ〉 これ以上の被害を生まないため、カリルさんの必死の訴えは続く──。