イランの体制と闘って数十年、クルド人の目に近づく勝利の光
イラク北部アルビル近郊で軍事訓練に励む、男女混成のイラン・クルド民主党メンバー/Osama Al Maqdoni/Middle East Images/AFP/Getty Images
イラク北東部(CNN) ケフィエと呼ばれる白黒のスカーフを身に付けた若い男性が、一度分解したAK47自動小銃を再び組み立てている。
仲間や指揮官、そしてCNNの取材班に見守られる中、その若いペシュメルガ(クルド語で「死と対峙(たいじ)する者」を意味する)は真剣に取り組むが、一つの部品がどうしても元の位置に戻らない。
周囲から笑いが起こる。教官は彼に別の小銃を手渡し、最初からやり直すよう促す。
カリム・ファルカプール氏は若い戦闘員たちを指して「彼らは新しい党員たちだ」と説明した。
ファルカプール氏は、イラン系クルド人の反政府組織として最も古く、かつ最大規模のイラン・クルド民主党(KDPI)の指導者の一人だ。CNN取材班は、イランとの国境から約21キロ西に位置する、イラク北東部の山中にある同党のキャンプで同氏に話を聞いた。
KDPIは1945年以降、人口の約10%を占めるイラン系クルド人の権利を求めて闘ってきた。当初はイラン国王(シャー)と戦い、79年の革命後は、イスラム共和国政府の神権的支配者たちに対する数十年にわたる闘争を続けている。
イラン政権に反対している組織はKDPI以外にも多数存在する。イラン東部のバルーチ人、西部のクルド人、南西部のアラブ人も自治あるいは独立を求めて長年闘ってきた。またイスラム共和国に対し、純粋に思想的な理由から反対する他の勢力も存在し、その多くは物資と政治の両面で外国からさまざまな支援を受けている。
先月下旬に始まった抗議運動の波により、47年にわたってイランを統治してきたイスラム共和国の終焉(しゅうえん)が近いのではとの期待が一部のクルド人の間で広がっている。
最近、KDPIに入党したファリナさん(19)は、将来に希望の持てない人生に絶望し、イランから逃れてきたという。
彼女は、クルド人として、そして女性としての自分の権利を守るためにペシュメルガになったと語る。
ファリナさんが所属する部隊は男女混合で編成されている。これは、トルコ、シリア、イラク、イランに存在する多くのクルド系勢力に共通する特徴であり、女性の平等な権利を思想の柱の一つに掲げている。
ファルカプール氏によると、イランはKDPIのキャンプの場所を把握しており、ドローン(無人機)を使って上空から監視しているという。
近年、イランはイラク北部にあるクルド人反政府勢力の拠点を攻撃してきた。傷つき、追い詰められたイラン政府が、再び同様の行動に出る可能性はある。
何世代もの若いイラン系クルド人たちが、この山々を越えて祖国を後にし、故郷を変えたいという思いでKDPIのような組織に加わってきた。ここの冬は凍えるような寒さで、過酷な環境だ。
それでもファリナさんは、その厳しい状況に耐えるだけの価値はあると考えている。
ファリナさんは「我々はこの道に命を懸けている」と述べ、さらに「犠牲を払う覚悟はできている」と付け加えた。