ホンダ、世界初公開の次世代バッテリEV「Honda 0 α」はどんなクルマ? 航続距離や価格など開発担当の廣瀬敏和氏に聞いてみた
本田技研工業は、東京ビッグサイトで開催(一般公開日:10月31日~11月9日)されているジャパンモビリティショー2025にて、次世代バッテリEV「Honda 0 α(ホンダ ゼロ アルファ)」のプロトタイプを展示している。
開発責任者の廣瀬敏和氏によると、Honda 0 αは、「Honda 0 SALOON(ゼロ サルーン)」「Honda 0 SUV(ゼロ エスユーブイ)」に続く末っ子で、Honda 0シリーズの世界観への入り口となる“ゲートウェイモデル”となる1台という。
都市にも自然にも美しく調和しつつ、あらゆるシーンで人びとに寄り添う存在を目指したコンパクトSUVで、2027年にインドから導入される予定とのこと。実は2027年にインドでCO2排出に関する規制が厳しくなることが決定していて、ガソリン車を多く発売するメーカーにはペナルティが課せられることも、インドから販売する要因の1つだそう。
現在開発の後半に入ったとのことで、パワートレーンはまだ未確定。「いろいろな選択肢がある」と話してくれた。航続距離については、インドや日本などでリサーチした結果、近県などは自動車で往復する場合が多いが、ある程度距離が離れると飛行機や高速の鉄道を利用する比率が増えることから、「クラス最高値を目指すものではなく、出先でサクッと急速充電して戻ってこられるレベルで考えている。そのほうがバッテリサイズを抑えられ、軽量化につながるほか、コストも抑えられる」という。
また、Hpnda 0シリーズは“四角形”をデザインの基礎としていて、Honda 0 SALOONやHonda 0 SUVは、比較的Bピラーが立ち上がり、どこを切っても金太郎飴のように四角く見えるデザインとなっているが、インドではBピラーが起き上がるとバンのように見えてしまい、乗用車よりも商用車に見られてしまい敬遠されがちになることから、「Honda 0 αの断面は、四角ではなく下が膨らんだ壺のような形状になりますね」とのこと。
価格については3万ドル(約450万円)ぐらいをターゲットとしているとのこと。また、現在インドのBEV販売は成長中とのことで、「インドで販売しているガソリンモデル『WR-V』などの数を徐々に減らしつつBEVモデルに切り替え、インドのBEV市場のイニシアチブを獲得したい」と廣瀬氏。
今回インテリアは公開されていないが、エクステリアはスリークで洗練されたボディデザインと、SUVらしいプロポーションを両立。車両の前後にはスクリーンフェイスと呼ぶエリアを配し、フロントには「ヘッドライト」「充電リッド」「発光式エンブレム」を統合。リアはテールランプやバックライト、ウィンカーなどをまとめたU字のライトとし、視覚的にも機能的にも独創的なデザインに仕上げている。
また、ほかのHonda 0シリーズは、サイドミラーにはカメラを採用して先進的なプロポーションとしているが、Honda 0 αは通常のミラー。これについて廣瀬氏は、「インドなど路面の荒れた環境や、砂埃がよく上がるような場所では、鏡のミラーのほうが見やすいんですよね」と教えてくれた。