テスラ、欧州で終わらない苦境-7月はドイツ・英国で登録台数半減
Stefan Nicola
- 他のEVメーカーに好機-BYDは登録台数4倍以上に
イーロン・マスク氏が率いる電気自動車(EV)メーカーのテスラは、欧州最大のEV市場で販売の大幅な落ち込みが続いており、中国の比亜迪(BYD)に大きなシェアを奪われつつある。
5日に発表されたデータによると、欧州でバッテリー式電気自動車(BEV)の登録台数が多い2大市場のドイツと英国で、7月のテスラの販売台数は前年同月から半減した。一方、BYDは両国で登録台数を4倍以上に伸ばした。
欧州でEV販売数が3番目に多いフランスでは、業界団体が先週、7月のテスラ車の登録台数が27%減少し、年初から7月までの累計で約40%減少したと報告している。
テスラは年初の販売不振について、主力車種「モデルY」の生産ライン切り替えに伴う製造の混乱が原因と説明していた。だが、モデルYの生産拡大後も販売の低迷は続いており、マスク氏の極端で政治色の強い言動が、ブランドに悪影響を及ぼしているとの懸念が高まっている。
テスラの苦戦により、欧州の大手自動車メーカーや中国のBYDには新たなチャンスが生まれている。BYDは4月、欧州のEV販売台数で初めてテスラを上回った。一部のアナリストは、BYDが今年通年でテスラを世界全体の販売台数で上回ると予想している。BYDは、テスラの本拠地である米国市場ではまだ販売されていない。
英国では、BYDの登録台数が前年1~7月期の6倍以上となり、年初からの市場シェアが1.91%と、テスラのシェアにわずか0.1ポイント差まで迫っている。
原題:Tesla Sales Keep Slumping in Europe With BYD Gaining Ground(抜粋)
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