米貿易赤字、6月は16%減の602億ドル 対中赤字21年ぶり低水準

米商務省が5日発表した6月の貿易赤字は、前月比16.0%減の602億ドルだった。カリフォルニア州オークランド港で4日撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

[5日 ロイター] - 米商務省が5日発表した6月の貿易赤字は、前月比16.0%減の602億ドルだった。消費財の輸入が急減したことで縮小。対中貿易赤字は2004年2月以来、約21年ぶりの低水準となり、トランプ米大統領が輸入品に課した関税が貿易に与えている影響が浮き彫りになった。

モノとサービスの輸出は2773億ドルと、前月の2780億ドル超から減少。輸入は3375億ドルと、3503億ドルから減った。

先週発表された6月の財(モノ)の貿易赤字は前月から10.8%減少し、2023年9月以来の低水準となっていた。

対中貿易赤字は前月比30%強減少し、約21年ぶりの低水準となる95億ドル。5カ月連続の減少で、同期間に計222億ドル(70%)減少した計算。中国からの輸入額は189億ドルに減少し、09年以来の低水準となった。

貿易赤字の縮小は25年第2・四半期(4─6月)の米国内総生産(GDP)の回復に大きく寄与。先週発表された第2・四半期のGDP速報値は年率換算で前期比3.0%増となり、第1・四半期の0.5%減からプラスに回復した。関税措置を見据えて第1・四半期には輸入が急増していたが、第2・四半期はその反動が見られた。

トランプ氏は先週、多数の貿易相手国・地域からの輸入品への新たな関税率10─41%を示し、8月7日に発動するとした。

イェール大学予算研究所の推計によると、米全体の平均関税率は18.3%に上昇し、1934年以来の高水準となる。トランプ氏が今年1月に返り咲く前は2─3%だった。

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