ベッセント長官、最近のドル相場下落は自然な「調整」-懸念を否定

Daniel Flatley

  • 「他の通貨が好調になる可能性があるのは自然なことだ」
  • 「デトックス」発言、リセッション接近の警告ではない

ベッセント米財務長官は最近の市場でドルが下落しているのは自然な「調整」だと述べ、懸念していないとの考えを明らかにした。新たな経済シグナルと政策が相次ぐ中、トレーダーらが様子見の姿勢を取っていると指摘した。

  「トランプ大統領の当選と共和党の大勝利を受けて、ドルは多くのことを織り込んだ」とベッセント長官は13日、経済専門局CNBCとのインタビューで発言。「調整されるのは自然なことだ」と述べた。

  ドルは昨年11月5日の選挙結果を受けて上昇したが、背景には規制緩和と減税延長による成長加速への期待があった。しかし1月にトランプ氏が大統領に就任すると、ドルは主要通貨の大半に対して下落に転じた。投資家は下落要因として、相次ぐ関税引き上げによる成長減速懸念と、米利下げ観測を挙げた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数

  ベッセント長官はトランプ政権の成長推進政策に向けて「市場は様子見姿勢に入った」と指摘。「ドルがここまで大きく上昇した後とあり、他の通貨が好調になる可能性があるのは自然なことだ」と述べた。

  同長官はまた、12日のビジネス・ラウンドテーブルで出席者らに政府が減税パッケージと規制緩和に取り組んでいると説明したことを明らかにした。「経済的な確実性をもたらす」ことが目的だという。米政府機関の閉鎖は「信じがたいほどの波乱」を引き起こすだろうと述べ、政府は2017年に第一次トランプ政権が成立させた減税の延長を「今年の夏」までに実現することを目指していると話した。

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  長官は「この先はデトックスの期間になる」とした先週の発言について、リセッション(景気後退)が迫っているという警告ではないと指摘。政府支出が増額された状態の経済から、民間セクターの活動に対する依存度を高めた経済へ「円滑な移行」を政府は望んでいると述べた。

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原題:Bessent Says Recent Decline in Dollar Is a Natural ‘Adjustment’(抜粋)

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