OpenAI、生成AI動画だけのSNS「Sora」発表--文章から自身の映像、短編アニメなど生成

 OpenAIは日本時間10月1日未明、AI動画生成を主軸としたSNSアプリ「Sora」を発表した。使用するAIモデルは新しい「Sora 2」だ。

Sora ※クリックすると拡大画像が見られます
新しい動画生成AIモデル「Sora 2」を採用 ※クリックすると拡大画像が見られます

 (国内編集部追記)App Storeにおけるアプリの説明は「たった一つの文章が、映画のワンシーン、短編アニメ、あるいは友人の動画のリミックスへと展開する」だ。

 同アプリは、友人をフォローしてコンテンツを共有する点では一般的なSNSだが、流れるコンテンツはすべてAI生成になるという。「ボットが投稿するわけではなく、人間が投稿する。ただし中身はすべてAI生成だ」とOpenAIのThomas Dimson氏は配信で説明した。実際にその狙いどおりになるのか、あるいは生成AIの粗製乱造で埋め尽くされる別のSNSになるのかは、ふたを開けてみないとわからない。

 最大の新機能のひとつが「Cameo」だ。自分や他人の顔をAI生成のシーンに差し込める。他人の肖像は、本人がCameoの公開を選択している場合に限って利用できる。さらに、OpenAIとしては初めて音声付きの動画生成にも対応し、今夏AIコミュニティを驚かせたGoogleの「Veo 3」と肩を並べる機能を備えたという。

 OpenAIはブログで、新しいSora 2モデルは推論能力の向上により物理法則の整合性がこれまでより保たれるとしており、AI動画が苦手とする領域の改善をうたう。

 現時点でアプリはiPhone向けのみ提供。AndroidはWebブラウザー経由で新Soraを利用できるが、いずれも招待コードが必要になる。


 Soraアプリは、(米国とカナダのユーザーであれば)すでにAppleのApp Storeから入手できる。OpenAI名義で青と白の雲アイコンのアプリを探せばよい。もっとも、ダウンロードしてもすぐには使えない。

 Soraは招待制で、利用には友人からのアクセスコードが必要になる。各ユーザーには招待コードが4つ配布される想定だ。配信でOpenAIは「友人と一緒に使うのがベスト」としており、限定的な公開はその狙いによるものだろう。OpenAIの広報担当者は、最初の招待コードの「ロールアウトは今まさに始まっている」と述べ、迅速に展開するとしている。

 当面はアプリをダウンロードし、ChatGPTのアカウントでサインイン(未取得なら新規作成)しておくとよい。ログイン後、アクセスコードが利用可能になった際の通知をリクエストできる。


 使えるSNSかどうかは、不適切なコンテンツの監視と安全対策に大きく左右される。ここは難所であり、OpenAIにとって本格的なSNSでは未踏の領域でもある。

 同社は当面、意図的に「コンテンツ監視はやや厳しめ」に運用するとライブ配信で説明した。画像・動画生成モデルの公開時と同様のスタンスである。また、アダルトや過激な表現の生成を防ぐガードレールを用意しているという。

 招待コードの提供が進むにつれ、これらのブロッカーがどの程度機能するかが問われることになる。SoraからダウンロードしたAI動画には透かしが付与され、他サイトで共有されてもAI生成であることが識別できる見込みだ。

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