モルガンS、ドル一段安見込む-米経済の健全性巡る懸念の高まりで

Carter Johnson

  • ブルームバーグ・ドルスポット指数が今年3%安-2008年以降で最大

モルガン・スタンレーは米経済の健全性を巡る懸念が高まるにつれて、ドルにとってさらに困難な状況が訪れるとみている。ドルの年初来のパフォーマンスは世界金融危機以降で最悪となっている。

  同行のマクロストラテジストは13日、顧客に対し、米経済成長の鈍化や海外資産の価値上昇などによって、トランプ大統領が貿易相手国に対する相互関税を発動する4月2日までドルが下落するとの見通しを示した。

  ブルームバーグ・ドルスポット指数は年初来で3%余り下落しており、2008年以降で最大の下げとなっている。

  マシュー・ホーンバック氏、アンドルー・ワトラス氏らストラテジストはリポートで、「これまで米国の成長を押し上げるとみられていた要因が、今や米国の成長を圧迫する可能性があるとみられている」と指摘した。

  モルガンSによると、オプション市場におけるトレーダーのポジションは現在ユーロロング(買い持ち)になっているという。これは歴史的に見てユーロに一段高の余地があることを示すシグナルだ。

  リポートでは「ここ数週間、ドイツの財政拡大見通しと欧州委員会レベルのより広範な計画により、欧州への投資は相対的に魅力的に見えるようになった。したがって、ドルが株価バリュエーションの相対的な変化に追いつく余地がさらにあるとみている」とした。

Bloomberg Dollar Spot Index performance days into new year

Source: Bloomberg

  モルガンSは1月以降、ユーロ、ポンド、円のロングポジション構築を推奨。3通貨はいずれもここ数週間でドルに対して急上昇している。同行が13日に更新した目標水準は以下の通り。

  • 円ロングの目標は現値水準から約2%上昇の145円
  • ユーロロングの目標は約3%上昇の1.12ドル
  • ポンドロングの目標は約3%上昇の1.33ドル

原題:Morgan Stanley’s Dim Dollar Outlook Gets Darker as Risks Mount(抜粋)

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