北朝鮮が中国国境付近に基地、ICBM配備の可能性-米研究所が報告
Soo-Hyang Choi
- 中国との国境から約27キロ、ICBM計6-9基と発射装置を配備か
- 東アジアと米国本土への潜在的な核の脅威をもたらす-報告書
北朝鮮が中国との国境近くに、最先端の戦略兵器を配備する長距離ミサイル基地をひそかに建設・運用していることが、米戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書で20日に明らかになった。核能力を強化する金正恩政権の姿勢を示すとしている。
報告書によれば、基地は中国との国境から約27キロ離れた平安北道に位置。核搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)計6-9基と移動式発射装置が配備されている可能性があるという。「これらのミサイルは、東アジアと米国本土への潜在的な核の脅威をもたらす」と報告書は指摘している。
今回明らかになったミサイル基地は、北朝鮮の核の脅威が強まっていることを浮き彫りにする。同時に北朝鮮の核兵器が広く想定されているよりも大規模かつ分散化され、残存可能であることも示している。
中国との国境近くに位置することで攻撃されにくい効果があり、米中双方にとって地政学上の懸念が強まる。
報告書によると、基地の建設は2004年ごろに開始。14年までには施設の大半が完成して運用可能になった。それ以降も継続的に整備が進められているとみられるという。
韓国国防省は、北朝鮮の核・ミサイル活動を注意深く監視しているとコメントしたが、詳細については言及しなかった。