2日目の米中通商協議が開始、話し合いは順調とラトニック米商務長官
英ロンドンで開催されている2日目の米中通商協議は、現地時間の10日夜になってもまだ交渉が続いている。両国は主要なハイテク製品や工業製品の輸出で合意を目指し、貿易戦争の激化を回避したい考えだ。
両国は事務的な詰めの作業を行っており、協議は夜遅くまで続く可能性があると、米財務省当局者が明らかにした。
中国代表団の一部は午後5時30分ごろ、休憩のため会場であるランカスター・ハウスから外出する様子が見られた。協議はその後再開していた。
2日目の協議は午前10時40分過ぎに始まっていた。米中両国の交渉団は、それぞれベッセント米財務長官と何立峰副首相が率いてきた。
ベッセント氏は午後10時前、グリア米通商代表部(USTR)代表とラトニック商務長官がロンドンに残り、中国側の交渉担当者との協議を「必要に応じて」継続すると記者団に述べた。ベッセント氏は予定されている議会証言のためワシントンに戻る。
ベッセント氏は「われわれは2日間にわたり生産的な協議を行い、それはまだ続いている」と語った。
ラトニック氏はこれに先立ち記者団に対し「われわれはこの交渉を終わらせるつもりで、それが目標だ」とした上で、「あらゆる貿易問題について協議を進めており、交渉は実に順調に進んでいる」と述べた。
10日中に協議が終了するかどうか質問されると、ラトニック氏は「必要であれば11日もここに残るが、今夜中に終わることを願っている」と答えた。
S&P500種株価指数は、ラトニック氏の発言を受けてこの日の高値をつけた。債券および為替市場も、経済的影響を見極めようと結果を注視している。
トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に「中国とは順調にやっている。簡単な相手ではない」と述べ、「良い報告しか届いていない」と続けた。ベッセント氏は初日の協議を終えた段階で「良い話し合い」だったと述べていた。
米国側は中国からレアアース輸出規制緩和の確約が得られれば、一部のハイテク製品に対する輸出規制解除を検討する用意があることを示唆している。
米シンクタンク、大西洋評議会傘下グローバル・チャイナ・ハブのデクスター・ロバーツ上席客員フェローは「米国がハイテク規制の一部を撤回する決定を下した場合、中国にとって大きな勝利と受け止められるだろう」と指摘。最近まで「いかなる規制」の撤廃も「全く考えられない」と思われていたと続けた。
ランカスター・ハウスは19世紀に建てられた歴史的な邸宅で、これまで英首相による重要な演説や中央銀行総裁のスピーチ、王室のパーティーなどの会場となってきた。
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原題:Bessent Returns to Washington as US-China Talks Stretch On、China, US Haggle Over Details as Trade Talks Stretch On (1)(抜粋)