高市首相と好対照 “スーパーハイテンション” 玉木代表の痛すぎる選択ミス

 これまでの流れを簡単に振り返っておこう。  高市氏が自民総裁に選出された10月4日以降、国民民主にアプローチして連立入りを含めた協力・連携を打診したが、玉木氏は即答を避けた。その一方で立憲民主も野党統一首相候補として玉木氏をなぞらえ、日本維新の会、国民民主との連携を模索した。  玉木氏は「首相になる覚悟はある」と公言したが、表向き立民とエネルギーや安全保障政策で一致点を見いだせないことを理由に、“破談”となった。

 そんな中、自公連立から公明が離脱して自民は苦慮していたが、維新との連携話が一気に進み、連立にこぎ着けたとされる。 「立民の安住淳幹事長や維新の藤田文武共同代表、遠藤敬国対委員長は玉木氏を担ごうとしていながら“玉木氏のことは気に入らない”点で一致していました。もともと相手のことをよく知る間柄ですが、考え方、スタンス、性格、いずれも合っていなかったということ。その時点で相当無理しておりうまく行きそうには見えませんが、“大同団結”のために背に腹は代えられないということでした」  と、政治部デスク。 「自民は玉木氏に財務相としての入閣を含めて連携を打診していました。“何でも好きなように政策実現のために暴れてほしい”と自民側はラブコールを送っていたのです」(同)  首相か財務相か。玉木氏はこの時期、「スーパーハイテンションだった」な状況だったという。

「“ハイテンションだった”というのは複数の人間が話していることなので、少なくともそう見えたのでしょう。玉木氏の心中を推し量ると自らが政界の中心にいるという自覚はあったと思います。が、実際は寄せ集め内閣で首相をやって超短命で終わるか、財務相あるいは重要閣僚で入閣して『年収の壁』など国民民主のオリジナル政策を実現できたとしても、首相の指示に従って成しえた実績とみなされて存在感を示すまでには至らない。玉木氏がどこまで先を考えていたのかわかりませんが、アレコレ悩んでいたのは間違いありません」(同)  色んなシミュレーションを経た結果、「どの船にも乗れない」と判断したのだろう。この時期、玉木氏の発言で大いに反発を買ったものがあった。  連立から公明が離脱した後の《自公連立が前提だ。国民民主を加えたら(衆院過半数の)233議席を超える前提での議論だった。自民と国民民主を足しても過半数にいかないので、これまでの連立の議論にほぼ意味はなくなった》という発言である。


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「自民のみならず各方面から“そんなこと、わざわざ表で言う必要ある?”“自分自身が決断し切れなかったことを糊塗(こと)しているだけでは?”などといった声が聞こえてきていました。これに限らず玉木氏は今回の政局で外部に対してしゃべりすぎた印象もあります。致命傷とまで言えないにしても、なんだかんだとしゃべりすぎたことも関係者の印象を悪くしていましたね」(同)  自民と維新の連立が成立し、結果として国民民主や玉木氏が積み上げてきた人気や支持率は崩落した。玉木氏自身の内心はともかくとして、国民民主周辺のテンションは一気に急落したのである。 「当然ながら永田町では“それ見たことか”“当然の報い”といった評価になっています。玉木氏自身はこれまで同様、”政策実現にまい進する”というスタンスで行くのでしょう。今年の残りの国会は物価高対策一色でしょうから来年から仕切り直しになりそうです」(同)  同じハイテンションでも、高市氏がトランプ大統領との会談で見せたそれは賛否両論あれども一定の支持を得ている。この点でも玉木氏とは好対照と言えるかもしれない。  しかし玉木氏とてこれまでにもいくつかの難局を切り抜けてきたキャリアがある。本来なら致命的になるはずだった「不倫騒動」すら乗り越えたのだ。政府の物価高対策がうまくいかなかった時に、再び存在感を示すことができるだろうか。 デイリー新潮編集部

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