2月米雇用統計、労働市場の勢い判断する手掛かり提供-7日発表

トランプ米政権が連邦政府職員の解雇を進め、個人消費の伸びが鈍化する中で、7日に発表される2月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が緩やかな伸びとなる見込みだ。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値によると、2月の非農業部門雇用者数は16万人増と、1月の14万3000人増から若干改善するものの、昨年11月と12月を下回る見通し。2月の失業率は1月から横ばいの4%と予想される。

Source: Bureau of Labor Statistics, Bloomberg

  2月の雇用統計は、米金融当局者が労働市場の勢いの現状を判断する手掛かりとなる。労働市場は少なくとも1月までは家計支出と経済を下支えしてきた。しかし、イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」が連邦政府の縮小と歳出削減を推し進めるなど、トランプ政権の急激な方針転換により労働市場の見通しの不確実性は高まる恐れがある。

  連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は7日午後、シカゴ大学ブース経営大学院の金融政策フォーラムで講演を行う予定。今月18、19両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の次回会合で参加者は労働市場やインフレ動向、米政権の最近の政策転換を評価し、金利を据え置くと予想されている。

  2月の雇用統計には連邦政府の採用凍結による初期の影響が顕在化する可能性がある。連邦職員の大量解雇は2月終盤に行われたため、今回の統計には大きな影響を及ぼさない見通しだ。連邦職員の雇用は米雇用全体に占める割合は小さいものの、政府支出の削減は政府が資金を拠出するプログラムをサポートし、それに支えられている民間セクターに徐々に影響していく恐れがある。

  金融当局者では今週このほか、FRBのクーグラー、ウォラー両理事に加え、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も講演の予定。また、ベッセント米財務長官はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで講演する。

  トランプ政権は4日にカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を新たに賦課するとともに、中国からの輸入品への関税率を20%と現在の2倍にする構えだ。トランプ大統領は同日夜に上下両院合同会議で演説する予定で、他の政策を打ち出す可能性もある。

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原題:US Jobs Report to Offer Clues on Hiring Momentum: Eco Week Ahead(抜粋)

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