【感動】意外な会社が作るリキュールがオシャレで美味しかった! 「Mマーク」でおなじみの松山油脂の工場見学で出会った逸品

石けんやスキンケア製品で知られる老舗メーカーの松山油脂。

ナチュラル志向の「Mマーク」や「リーフ&ボタニクス」などを製造しており、根強いファンも多い。

実はここ、無料で一般向けに工場見学を開催しているのだ。今回は、東京都墨田区にある本社工場の見学に参加してきた。

もちろん工場見学も大充実だったのだが……その後の展開が意外すぎた。なんとスキンケア製品のメーカーなのに、お酒(リキュール)も作っていたのである。しかも、めちゃくちゃオシャレで、おいしそう。

以下、石けんとリキュールに同時に酔いしれたレポートをお届けしたい。

・現場のリアルを届ける、こだわりの見学スタイル

訪れたのは、京成電鉄「八広駅」から徒歩10分ほどの場所にある墨田工場。

昭和の風情が残るモノづくりが盛んな地域に、スタイリッシュな建物が突然現れる。

まず案内されたのは、食堂として使われているおしゃれなスペース。

棚にはさまざまな製品がずらりと並び、知らなかった製品にも出会えて面白い。

今回、案内役を務めてくれるのは、実際に現場で働くスタッフの方。以前は総務の方のみが対応していたそうだが、「作り手の声を直接伝えたい」とのことで各部署の持ちまわりになったとのこと。

こういうの私、大好きです。

簡単に会社概要や製造工程について、スライドで説明をしていただいてから、白衣と帽子を装着して早速工場の中へ。

ガラス越しでなく、実際の現場へと足を踏み入れることができるのだ。

・情熱はもちろん、物理的にもアツい!

「毎回違う表情を見せる」と話してくれたのは、石けんを釜焚きしている職人さんたち。

この日は、残念ながら、洗浄作業中だったが、間近で釜を覗いたり、直接お話を伺うことができた。

天然油脂に苛性ソーダを加え、4日間かけて鹸化(けんか)・塩析・静置させるこの工程は、同じ材料・同じ釜を使っても反応が微妙に変わるという。

まるで醤油や味噌の仕込みのような職人の仕事が、石けんにもあるのだ。

ちなみに釜場は暑い。とにかく暑い。まさに心も物理的にも熱い現場だ。

でも、やっぱり普段入ることのできない現場はとてもワクワクする!

・人の手で支える工場

続いては、液体製品の充填工程へ。

ここでは製品を容器に入れて封をし、ラベルを貼って検品・梱包するまでの工程を見学できる。

松山油脂にはもう1つ、山梨県に富士河口湖工場がある。そちらはスキンケア製品を中心に、より大量生産も可能な設備があるそうだ。

一方、今回訪れた墨田工場では、石けんの製造や液体製品の充てん、包装・仕上げなど、人の手と目による作業が中心だ。

・唯一撮影NG! 秘密のゾーン

最後に案内していただいたのは、石けんをカットする「小切り工程」。

枠に流し込んで固めた石けんを、専用の機械で押し出し、決められたサイズにカットしていく。

その後、等間隔に並べられた石けんたちは、整然と並んだまま乾燥の工程へ。

ずらりと並ぶ姿は、なんとも見応えがある。

ちなみに工場内は基本的に写真OKなのだが、この小切り工程の機械だけは撮影NG。ラーメン屋に例えると、門外不出の秘伝のタレ的なポジションだ。

・工場見学からのリキュールとの出会い

工場見学が終わると、ふたたび最初のオシャレ空間に戻る。ここで、ゆっくりハンドクリームやボディクリームの塗り比べも可能だ。

さらに、徳島県にある自社農園「山神果樹薬草園」でつくった柚子の濃縮シロップ、コーディアルの試飲サービスも。

甘さと苦味のバランスが絶妙で、夏場にぴったりな爽やかドリンクだ。

……と思っていたら、このコーディアル、実はリキュールの原料にもなっているというじゃないか。 石けんメーカーがそんなものまで作っているとは驚き。

お土産として、工場見学限定の石けんとオンラインストアで使える送料無料チケットまでいただいて大満足で工場見学が終了。

でも、私の頭の中は、あのリキュールのことでいっぱい。

・リキュールをポチッとな

見学終了後、さっそく公式オンラインストアで気になる1本を注文。

柚子や檸檬など、いろいろあって迷ったが、最終的に決めたのは「【期間限定】柑橘リキュール 伊予柑12%(1980円)」。

数日後、届いたボトルはやっぱりオシャレ。

まずはロックで一口……

おお、伊予柑の皮のほろ苦さと果肉の甘みがガツンと来る。

甘すぎず、でも華やか。これはおいしい……!

続いて炭酸割りにしてみると、軽やかさが増してゴクゴク飲めるおいしさに変化。

唯一無二の味わいがある。どちらの飲み方も美味しいが、個人的には炭酸割りが好みだ。

気になって製法を調べてみたところ、「丸ごと皮削り®製法」という製法で作っているらしい。

外皮を削ってから果実を押しつぶして果汁を搾ったあとの伊予柑に、きび砂糖と酵母を加えて自家醸造。それを蒸留してつくったスピリッツに伊予柑の果汁とコーディアルと精油を加えて仕上げているとのこと。

まさに伊予柑を丸ごと味わうための一本だ。

これは、センスの光る贈り物としてもおすすめしたい。

・結論、すべてが最高すぎる

実際の製造現場を間近で見られるだけでなく、「試せて・もらえて・学べる」松山油脂の工場見学。

伝え方の工夫と、つくり手の想いがきちんと伝わってくる距離の近さだった。

丁寧なものづくりへのこだわりはもちろん、現場スタッフ自らが案内してくれるスタイルや、石けんメーカーの枠にとどまらず、リキュールまで手がける柔軟さやブランディング力にも驚かされた。

工場見学は平日のみ・要予約・無料。ただし参加枠には限りがあるため、気になる方は早めの予約をおすすめする。

そして、最後にもう一度だけ強調させてほしい。

石けんだけじゃない。リキュールも、とびきりすばらしかった!

参考リンク:松山油脂 執筆:夏野ふとん Photo:RocketNews24.

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