アフリカから日本を見て確信。「生物多様性は日本のビジネスチャンス」と考える理由(BUSINESS INSIDER JAPAN)
2年ほど前、僕は当時経営していた会社を売却し、「自然と人間が共生する世界」を目指す会社「angle reserve(アングルリザーブ)」を立ち上げました。自然を守ることで収益を上げるという、少なくとも僕には非常に難易度の高い挑戦です。 振り返れば、「自然✕ビジネス」に興味を持ったのは大学生の頃でした。 単純に自然が大好きだったこともあります。でもそれ以上に、大多数の人が自然や動物を「好きだ」と言うのに、それらが失われ続けている現実に違和感を覚えたこと。そして、留学先のUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)での学びを通じて、温室効果ガスの排出量取引をはじめとする、新たなビジネスチャンスを知ったことがきっかけでした。 ただ、当時はビジネスのこともよく分からないし、どれだけ考えても事業がうまくいくイメージが湧きませんでした。 そこで、まずはビジネスの経験を積むためにも別の領域から挑戦することにしたのです。 それから約15年。起業をはじめとしたビジネス経験を積めたこともありますが、何より「自然✕ビジネスの市場がいよいよ来る」という直感が決め手でした。 ひとくちに自然✕ビジネスといっても、農業や脱炭素、エコツーリズムなど領域は多岐に渡ります。なかでもいま、世界の投資家や起業家が熱視線を注ぐのが、生命の多様性である「生物多様性(Biodiversity)」です。
「生物多様性」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか? カエルの鳴き声が響く田んぼや、ゾウやライオンが闊歩するサバンナを思い浮かべる方もいるかもしれません。 WWFジャパンによると、生物多様性とは、地球上のさまざまな生きものが直接的・間接的に多様な形で関わり合っていることを指します。 虫がいなければ主要農作物の多くは受粉できず、植物がなければ光合成も行われません。 単なる「生き物の数の多さ」ではなく、「種」「遺伝子」「生態系」といったそれぞれの多様性が保たれた全体的なバランスが重要なのです。その「生物多様性」が、近年急速に失われています。 野生生物の個体数は過去50年間で73%減少 種の絶滅スピードが数十〜数百倍加速(過去1,000 万年間の平均と比較) 私たちはいま、「6度目の大絶滅期」を生きているんです。 大絶滅はこれまでもありましたが、問題なのは今回の大絶滅が“急速に進んでいる”ことです。過去の大絶滅は数十万〜数百万年をかけて進んだのに対して、いま起きている絶滅はわずか数十年のスケールで進んでいます。 その主な原因の一つが、産業活動です。森林は農地に切り開かれ、湿地帯に限ればその85%が産業革命後消失しました。