QRコード決済、なぜ今“やめる店”が出てきた? QRコード決済廃止で店舗が得る利点とは

QRコード決済は、非接触でスマートフォンから簡単に支払える利便性が注目され、急速に普及しました。しかし、導入店舗の一部では「現金よりも決済が遅い」と感じる声も上がっています。 ある調査では、キャッシュレス導入店舗において25%以上が「決済完了までのスピードが現金より遅い」と回答しました。また、「レジ業務が煩雑になった」、「お客さまとのやりとりが増えた」といった意見もあり、従業員の教育不足や顧客の操作理解度の低さが、決済時間の延長につながっていることが示唆されています。 これらの問題は、QRコード決済の利便性を最大限に生かすためには、店舗側のオペレーション改善や従業員・顧客の操作理解度を高めることなどが不可欠であることを示しています。

QRコード決済の導入において、手数料の負担が障壁となることがありますが、それ以外にはどのような理由が導入の妨げとなっているのでしょうか。 経済産業省の資料によれば、キャッシュレス決済を導入していない事業者の主な理由として、「顧客からの要望がない」が第1位、「手数料が高い」が第2位、「導入のメリットが不明/実感できない」が第3位となっています。 キャッシュレス決済の導入効果として、レジ業務の時間短縮や業務効率化などが挙げられますが、中にはこれらのメリットを実感できていない店舗も存在しているようです。

一部の店舗では、QRコード決済を導入したものの、運用面の課題やコストの問題、さらに入金サイクルの長さによるキャッシュフローへの影響などを考慮し、導入を取りやめるケースも見られます。 QRコード決済を取りやめた店舗では、次のようなメリットが考えられます。 ●レジ業務の簡素化 ●顧客のトラブル対応の減少 ●コストの削減 現金決済に戻すことでレジ業務の煩雑さが解消され、従業員の負担が軽減されるケースがあります。さらに、決済方法の説明やトラブル対応が減ったことで接客もスムーズになり、決済手数料や端末の維持費が不要になったことで経費削減にもつながるでしょう。 QRコード決済にはメリットもありますが、店舗の規模や業態によっては、必ずしも最適とは限りません。

キャッシュレス決済の導入によって、レジ業務の時間短縮や業務の効率化が期待されます。しかし、これらの効果を最大限に生かすには、店舗側の十分な準備と従業員への教育が欠かせません。 どの決済手段を導入するかは、業態や顧客層、オペレーション体制などを総合的に考慮し、慎重に見極める必要があります。 出典 経済産業省 キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会 とりまとめ 図表8 キャッシュレス決済を導入していない事業者の主な理由(7ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルフィールド編集部

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