アメリカ海兵隊、訓練で対ドローンの課題が浮き彫りに(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
高度な能力を持つアメリカ海兵隊でさえ、訓練でドローンへの対応に苦戦しているアメリカの海兵隊はドローン対策で遅れを取り戻そうと急いでいる。こうした取り組みは、比較的新しく設けられた攻撃ドローン部隊など、攻撃面での動きとも足並みをそろえている。 高度な訓練を受けたアメリカ軍にとっても、敵のドローンは対応が難しい存在だ。戦場に近い状況を再現したアメリカ軍の訓練では、絶え間ない監視や攻撃に対処するのに苦戦している。こうした状況を受け、アメリカ海兵隊は対策を急いでおり、その一つとして新たな対ドローンチームの立ち上げを進めている。 【全画像をみる】アメリカ海兵隊、訓練で対ドローンの課題が浮き彫りに 「実際の任務に出る前に、本番の戦場に近い厳しい訓練を行ったところ、高い能力を持つ海兵隊の部隊でさえドローンの脅威に苦戦した。こうした状況は、厳しく複雑な条件を課した試験の中で明らかになった」と海兵隊の将官が2026年4月、ワシントンで開催された海兵隊向けの大規模な展示会・カンファレンス、「モダン・デイ・マリーン(Modern Day Marine)」のパネルディスカッションで語った。 「結果は、おおむね予想通りだった」と、派遣前に海兵部隊の戦闘能力を高める訓練を統括する「マリーン・エア・グラウンド・タスクフォース・トレーニング・コマンド(Marine Air Ground Task Force Training Command)」を率いるマーク・クリンガン(Mark Clingan)少将は話していた。 「海兵隊は実際の任務の現場に出ると、敵のドローンへの対応にかなり手こずった」 「部隊がドローンに対抗することをさらに難しくしていたのは、電波妨害や電子戦による対抗手段が、敵だけでなく味方のシステムにも影響を与えてしまう『諸刃の剣』だったからだ」とクリンガンはパネル討論後、Business Insiderに語っている。 「今の戦場で実際に使われ始めている新しいタイプの脅威に直面すると、我々は戦い方を見直していかなければならないことが明確になった」 こうした戦い方の見直しはすでに進められており、2026年夏の後半に派遣を控える海兵隊に向けて、ドローン対策の専用訓練が導入される予定だ。さらに海兵隊は、部隊全体で、ドローンを使いこなせるようにするための訓練や装備に、これまで以上に力を入れている。 「海兵隊は2026年内に、小型ドローンを数万機規模でさらに増やす見通しで、そうなると兵士はドローンを使った訓練をより行いやすくなる」と、クリンガンは言う。ただし、機関銃や航空戦力、迫撃砲などとこうしたドローンを組み合わせてうまく使うこと、すなわち軍が「コンバインド・アームズ(複数の兵器を連携させて戦うこと)」と呼ぶ複雑な戦い方を実現するには、時間がかかるとされている。 こうした取り組みの課題となっているのは、ドローンそのものと、信頼性の高い対ドローン装備のいずれも数が限られている点である。どちらも防衛産業の中で現在、急速に発展している分野になる。 アメリカ国防総省は、低コストで使い捨てが可能なドローンへの投資を増やしており、小型の無人航空機を数十万機規模で配備する計画を進めている。これは、アメリカがドローン分野で主導権を握るための動きであると言える。またアメリカ軍は、対ドローンの専門部隊を設置し、基地防衛の方針を強化するとともに、ウクライナでの戦いで有効性が確認された低コストの装備を戦力に取り入れ始めている。 操縦者の視点となって操作する小型ドローンから、上空で待機しながら攻撃の機会をうかがう自爆型ドローンまで、我々の身を守るための対策は、さまざまなタイプの物に対応できるように行われている。ただし、敵のドローンをまとめて効果的に撃退する手段は、攻撃側の進化に追いついていない状況だ。
Kelsey Baker