唐突な恩師との別れ…最後の約束は「守りたい」、U-20日本代表キャプテン市原吏音(大宮)がW杯へ決意新た
DF市原吏音
いよいよ始まる世界の舞台へ。U-20日本代表キャプテンDF市原吏音(大宮)は「チリに来てW杯を感じた」と率直な気持ちを語った。 U-20ワールドカップは現地時間27日から開幕する。日本は27日午後5時(日本時間28日午前5時)の初戦でエジプトと対戦。韓国対ウクライナとともに、栄えある大会オープニングマッチに臨む。 初戦は緊張と付き合いながら、まずは勝ち点奪取を狙う。「(エジプトの)映像も見ているし、エジプトにどういう選手がいるかはある程度把握している。だけど、自分たちがやってきたことを出せるのが大事。初戦で硬くなると思うけど、おそらくボールを保持する時間が長くなるなかで、自分たちがどう崩していけるかはずっと積み上げてきたものがある。それを出せればいい」(市原)。気持ちを整えつつ、キャプテンは初戦を展望する。 「個人の力はすごいと思う」。そうエジプトの力を認める市原だが、「組織力で言えば日本のほうがはるかに上」と強調。「映像を見る限り、組織という中では隙があると思う。そこを突いていければ」と勝負のポイントを語った。
大会に集中するさなか、思わぬ報せが日本から届いた。24日、RB大宮アルディージャはJ3リーグからチームを引き上げた長澤徹監督の解任を発表。「いろんなものを学ばせてもらった監督」と慕う市原も「全然知らなくて、急に言われてびっくりしました」と思いを口にした。
「本当にリスペクトしていたので悲しい気持ちと……ただ、改めてプロの世界だなと感じました」。市原は初戦直前の衝撃にも「今はこっちに集中するというのは自分のなかで決めているので大丈夫」と咀嚼。その一方で「だけど、最後別れるときに挨拶ができなかったのは悔しい」と本音ものぞかせた。 出発直前、長澤監督からは「なるべく帰ってくるな」と発破をかけられた。指揮官との最後の約束を胸に、市原は「それは守りたい」と決意を新たにしていた。 (取材・文 石川祐介)●U-20ワールドカップ2025特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中