船越監督体制発足からエースナンバー背負うU-20日本代表MF大関友翔(川崎F)「日本の10番の価値を示せるように」
MF大関友翔
期待と少しの緊張を抱きながら、大舞台に臨む。U-20日本代表MF大関友翔(川崎F)は、U-20ワールドカップのグループリーグ初戦・エジプト戦を前に「楽しみで、やってやろうという気持ち」と今の心境を語った。
“ロス五輪世代”が世界の舞台に立つ。船越優蔵監督体制の発足当時からメンバーとして活動してきた大関は、日本がU-20世代の頂点に立つことに「自信はある」と語った。
「グループ的にも日程的にもすごくいい位置には入れている。(開催国)チリともできるし、注目される試合でモチベーションも上がる。そういう意味でしっかりグループリーグを突破できれば、優勝できる可能性もある。まずは初戦で勝てるようにがんばりたい」 日本は現地時間27日午後5時(日本時間28日午前5時)にグループリーグ初戦でエジプトと対戦する。この試合は韓国対ウクライナとともに、大会のオープニングマッチだ。 大関は初戦を展望。「緊張する部分もあると思う。ただ、入りの部分でどれだけ自分たちが圧力をかけて自分たちのサッカーにトライできるかが90分間の鍵になる」と説く。「90分終わって、初戦難しいねで終わらないように、そこへの準備はできている。(直前合宿の)パラグアイから準備をしてきた。チーム全員で最初の入りが鍵になる」。万全を期してW杯のピッチに立つつもりだ。 自身を緊張するタイプと明かしつつ、その緊張がプレーを円滑にするという。U-20W杯出場を懸けた一戦、U20アジア杯準々決勝・イラン戦はそのひとつだ。「(イラン戦は)めっちゃ緊張しましたけど、めっちゃ緊張している試合のほうがなんかプレーはいい感じがする」(大関)。イラン戦やACLエリートといった大舞台で経験を積み、「すごく自信を持ってここに向けて成長してきた」と胸を張った。 7月のE-1選手権ではA代表デビューも飾った。再び呼ばれるためにも、世界の舞台で実力を示すつもりだ。 「E-1でA代表に呼んでもらって、A代表の基準というか、A代表の森保監督に見てもらったその基準をU-20に還元する役割もあると思う。E-1でも少し不完全燃焼の部分もあったので、もう一回A代表に呼ばれるためにU-20でしっかりとアピールしたい。個人以外でもチームとしても成長しないと、この大会は勝っていけない。基準を知っている選手が還元できることはすごく大事。そこの役割も担いたい」 W杯は数々の若手がアピールをする場でもある。大関も「自分の価値を示すことになると思う」と意欲は見せつつも、「そういうステップアップの話はまだできる立場ではない」と口にする。 「まずはU-20で自分の価値をしっかりと示すことと、Jリーグの若い選手でもこれだけ活躍できるんだというのを示せればいい。それがこのJリーグの難しい時期のなかで送り出してくれたフロンターレの人たちへの恩返しにもなる。そこは意識してやりたい」 船越監督体制は2023年のSBSカップ国際ユース大会から始まった。最初に10番を着けたのは大関、そしてその集大成となる今大会も大関が10番を着ける。「優蔵さんに初めて代表に呼んでもらってからずっと10番を着けさせてもらっている。ここまで来たら、重みというより自分の番号だと示せる活躍ができれば」。テレビ番組で部屋紹介をしたとき、その壁には自身の10番が飾られていた。 テレビ番組の収録後、E-1選手権で着用した14番も壁に飾ったという。川崎Fの“シンボル”でもある14番、そして自らがアカデミーから背負ってきた番号でもある10番、それぞれへの思いがある。 「14番も自分の中にあるけど、今この代表で10番を背負わせてもらっていることで人一倍責任が生まれている。日本の10番の価値を示せるようにやりたい」。待ちに待った世界の舞台で、エースナンバーの躍動を誓った。 (取材・文 石川祐介)●U-20ワールドカップ2025特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中