NPUレスで高コスパ。Ryzen 7 255搭載ミニPC「X1 Lite」を試す
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MINISFORUMは現在、Ryzen 7 255を搭載したミニPC「X1 Lite」を販売中だ。編集部から実機が送られてきたので試用レポートをお届けしたい。
同社のミニPCは、2月にRyzen AI 9 HX 470搭載「AI X1 PRO-470」のレビューして以来の登場となる。AI X1 PRO-470はプロセッサにNPUを内包しているAIタイプだったが、今回ご紹介するのは、Ryzen 200シリーズの中でもNPUが無効化された、Ryzen 7 255搭載「X1 Lite」だ。
NPUに関してはいろいろ考え方があるだろうが、筆者的にはなくてもいいのでは?と思う派だ。アプリが揃ってないからというのもあるが、揃ったところで……という感じだ。その分、少しでも安い方がありがたい。
メモリ/ストレージなしのベアボーンのほかに、メモリ32GB/ストレージ512GB、メモリ32GB/ストレージ1TBと3モデル用意されている中、手元に届いたのは上位モデル。主な仕様は以下の通り。
プロセッサはZen 4アーキテクチャのRyzen 7 255。8コア16スレッド、クロックは最大4.9GHzで駆動。キャッシュはL2/L3がそれぞれ8MB/16MBでTDPは45W、cTDPは35~54Wとなっている。
このプロセッサ、日本語サイトには情報がなく、調べると中国語サイトに掲載されていた(Hが付いているが多分同じ)。以前も、CHUWIの「AuBox 8745HS」に搭載されているRyzen 7 8745HSの仕様がないと書いたところ中国語サイトにあったことがあり、この辺り中国製PCの興味深いところだったりする。
グラフィックスはプロセッサ内蔵のRadeon 780M Graphics(12コア)だ。外部出力用にHDMI 2.1、DisplayPort、USB4を装備。3同時出力可能だ。
メモリは16GBが2枚の計32GB。SO-DIMM/DDR5-5600を2枚搭載すれば最大128GBまで拡張可能。ストレージはM.2 SSD 1TB。スロット自体は2つあり1つ空き。ただしOCuLinkを使う場合は、この空きの方にOCuLinkアダプタを付けるため実質1つのみとなる。
OSはWindows 11 Pro。25H2だったのでこの範囲でWindows Updateを適用して評価した。
ネットワークは2.5GbE、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2。そのほかのインターフェイスは、前面にUSB 3.2 Gen 2 2基、3.5mm音声入出力。背面にUSB4(USB PD 100W入力/15W出力、DisplayPort Alt Mode対応)、OCuLink(M.2から引き出し)、USB 2.0 2基。USB4は100WのUSB PD入力に対応し、Type-Cで電源供給可能なディスプレイならケーブル1本で電源と映像をまかなえスッキリする。
サイズ130×126×47.2mm、重量約670g。価格はベアボーンが5万1,999円、メモリ32GB/ストレージ512GBモデルが11万4,399円、メモリ32GB/ストレージ1TBモデルが12万5,599円だ。
円安とメモリ不足で高めとはいえ、10万円ちょっとで収まっているのがありがたい。またベアボーンだとかなり安価。OS/メモリ/ストレージで手持ちがあれば、これを選ぶ手もあるだろう。
筐体はありがちなシルバーのミニPC。ただしほぼプラスチックなのであまり高級感はない。サイズはiPhone 16 Proの比較からも分かるようにミニPCとしては標準的。
重量は仕様で約670gとあるものの、実測で592gと随分軽かった。本機は上記したようにUSB4がUSB PD 100W入力に対応しているので、該当するアダプタやモニターさえあればどこでも使え、ACアダプタを持ち歩く必要がない。そういった意味では持ち運び易い製品だといえよう。
前面にはUSB 3.2 Gen 2 2基、3.5mm音声入出力。背面にUSB4(USB PD 100W入力/15W出力、DisplayPort Alt Mode対応)、OCuLink(M.2から引き出し)、USB 2.0 2基を配置。OCuLinkは空きのM.2に付属のOCuLinkアダプタを装着する必要がある。
USB4があるのでいつものキーボード付きモバイルモニターへはType-Cケーブル1本で接続可能だった。裏は四隅にゴム足とVESAマウンタ用のネジ穴。
付属品は、ACアダプタ(サイズ約80×80×30mm、重量247g、出力120W)、VESAマウンタ(ネジ)、HDMIケーブル、OCuLinkアダプタ。
BIOSは起動時[DEL]キーで表示。同社いつものパターンでいきなりBIOSではなくメニューが表示されるタイプとなる。
内部へのアクセスは、四隅のゴム足を剥がすと下にネジがありこれを外す。裏パネルの“REAR”の凹みへマイナスドライバーなどを入れ引っかかってる爪をゆっくり外せばOKと簡単だ。M.2の2基のうち1つはSSDが装着済み。SSD、メモリともにCrucial製が使われている。
ノイズは耳を近づけてもほとんど聞こえず、発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると背面のスリットから生暖かい風が出る程度。うまく熱処理ができており、安心して使えそうだ。
初期起動時、長い間待たされるWindows Updateは仕方ないとして、起動後は構成が構成なだけに快適に操作できる。
M.2 1TB SSDはCrucial「CT1000P310SSD8」。仕様によると、最大シーケンシャルリードは7,100MB/sとあり、CrystalDiskMarkの値もそのまま出ている。書き込みについての記述はないが、テストしたところ7,000MB/sほど出ているので問題ない(というより速い)。Crucialはもう出荷停止したモデルだが、おそらく流通在庫がそれなりにあるのだろう。C:ドライブのみの1パーティションで約929GBが割り当てられ空き868GB。BitLockerで暗号化されている。
2.5GbEはRealtek製、Wi-FiはMediaTek Wi-Fi 6E MT7902、BluetoothもMediaTek製だ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、3DMark、Cinebench 2026。先月掲載したCore Ultra 5 226V搭載GMKtec「K17」と比較すると、多くの項目では上回っている。なかなかのパフォーマンスではないだろうか。
特に興味深いのはCinebench 2026だ。Multi ThreadsがCore Ultra 5 226Vが2,010なのに対して3,953と圧倒していること。逆にSingle Threadは僅差であるが451対421とCore Ultra 5 226Vの方が速い。各プロセッサの性格が出ている感じがする。
[Read] SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 7051.331 MB/s [ 6724.7 IOPS] < 1188.68 us> SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 3728.677 MB/s [ 3555.9 IOPS] < 281.02 us> RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 423.900 MB/s [ 103491.2 IOPS] < 299.38 us> RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 65.188 MB/s [ 15915.0 IOPS] < 62.74 us>[Write] SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 6699.390 MB/s [ 6389.0 IOPS] < 1248.23 us> SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 3543.533 MB/s [ 3379.4 IOPS] < 295.65 us> RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 465.392 MB/s [ 113621.1 IOPS] < 280.97 us> RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 147.272 MB/s [ 35955.1 IOPS] < 27.72 us>以上のようにMINISFORUM「X1 Lite」は、Ryzen 7 255/32GB/512GBもしくは1TB搭載ミニPCだ。これら2つについては10万円を少し超えてしまうが、ベアボーンだと5万1,999円。OS/メモリ/SSDを持っていれば、かなり安く上げることができる。
発熱も少なく、CPU/GPUともにバランスの取れたパフォーマンス。特に欠点らしい欠点もなく、何にでも使えるコンパクトなミニPCを求めているユーザーに使ってほしい1台といえよう。