iPhone20周年モデルに布石、アップル新インターフェース-パワーオン

9日に始まるアップルの世界開発者会議(WWDC)では、新たなソフトウエアのデザインが中心的なテーマとなるだろう。今後のiPhone刷新に向けた布石となる。

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  アップルが約20年前に初代iPhoneを発売した際、ソフトウエアインターフェースのコンセプトは比較的シンプルだった。現実世界を模倣する、というものだ。

  このデザインの思想は、スキューモーフィズムとして知られる。メモアプリは昔ながらの黄色いノートパッドのような見た目で、マップアプリは紙の地図に似ていた。

  iPhoneとiPadは、世界最初期の主流タッチスクリーン端末の一つであり、現実世界の模倣は、ユーザーが操作方法を学ぶ上で有用だった。しかし顧客がタッチスクリーンに慣れるにつれ、意味をなさなくなった。

  そこで2013年、デザイン責任者ジョニー・アイブ氏の下、アップルは新たなアプローチを導入した。基本ソフト(OS)の「iOS 7」では装飾的要素を排し、「フラットデザイン」と呼ばれるコンセプトを採用。時代に合わせ、より鮮やかな色使いや透明感、シンプルなインターフェース、明確な操作性を取り入れた。

  それから10年余りを経て、アップルは再び大規模なインターフェース刷新を計画している。変更は、この秋の「iOS 26」「iPadOS 26」「tvOS 26」「visionOS 26」「watchOS 26」 「macOS 26」「CarPlay」の一部として導入される予定。アップルは9日、WWDCで新たなアプローチを紹介する。

iPhoneソフトウエアインターフェース:スキューモーフィズム(左)とフラットデザイン(右)

  新たなインターフェース要素は「リキッドグラス」と呼ばれ、ガラスのような光沢や透過性を持つビジュアルが特徴だ。

  これはアップルのオペレーティングシステムの一貫性を高め、ラインアップ全体で統一された見た目にする取り組みの一環だ。ツールバー、アプリ内のインターフェース、コントロール全てで、透明感や光沢効果が適用される予定。

  フラットデザインがスマートウオッチ「Apple Watch」や大型のiPhoneといった新製品に合わせて開発されたように、今回のリキッドグラスも新たなハードウエアに対応したものとなる。これには、iPhoneの20周年を記念して刷新される2027年モデルも含まれる。

  このiPhone20周年モデルは、端末全体の側面にカーブしたガラスを採用するなど、ガラスのコンセプトをさらに発展させたものとなる予定。社内では透明な羽を持つチョウにちなんで、「グラスウイング」と呼ばれている。

  今回のWWDCで最も注目されるのは、このリキッドグラス・インターフェースだろう。

(これはマーク・ガーマン記者のニューズレター「PowerOn」のサブスクライバー専用版の抜粋です。アップルに関する特ダネや消費者向けテクノロジー情報、シリコンバレーの内部事情などに関してガーマン記者が執筆するもので個人的見解も含まれます)

原題:Apple’s Software Revamp Is Precursor to the iPhone 20: Power On(抜粋)

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