6000年前、ブルガリアでライオンに噛まれながら生き延びた男がいた
6000年前のブルガリアで、とんでもない経験をした青年がいたことが分かりました。
ブルガリア東部の黒海西海岸地域に位置する、コザレヴァ・モギラ遺跡近くの墓地で発見された骨から、まるで神話の怪物に襲われたような凄惨な痕跡が確認されたのです。
IFLScienceが報じた内容によると、その男性の頭蓋骨には大きな穴が空き、腕や脚には鋭い歯で噛み砕かれたような傷が残っていたそうです。
研究チームが歯形を照合したところ、犯人はなんとライオン。
え、ブルガリアにライオン?
かつてブルガリアにはライオンがいた
現代では想像できませんが、当時のバルカン半島には気候条件の影響でライオンが進出していた時代があったことが分かっています。
ブルガリアにライオンがいただけでも驚きですが、なんと、この青年はライオンにひどい損傷を負わされながらも生き延びていました。研究者の分析によれば、青年は地面に倒され、複数回噛まれたと考えられています。
その攻撃により、頭蓋骨の大きな穴は神経障害を引き起こし、手足の損傷により、歩行や日常活動はほぼ不可能だったようですが、仲間からケアされながら生きていたらしいのです。
すでに医療の知識があったらしい
さらに興味深いのは、この遺跡で見つかった別の個体には頭蓋手術の痕跡があるという点です。
どうやら、当時の人々は痛みの緩和や炎症の抑制といった医療的な知識をある程度持っていた可能性があったようなのです。
今回の青年から手術痕は見つかっていませんが、研究者は「当時の処置と同様のケアが施されたと推測される」と話しています。
6000年前、その青年はどんなシチュエーションでライオンに襲われたのでしょう。狩の途中で反撃されたのか、それともライオンの獲物としてターゲットにされた結果だったのか。
推測しかできませんが、ひとつだけわかっていることがあるとすれば、青年は本当に怖かったでしょうね…。
Source: IFLS