大学生Jリーガーとの駆け引き…退場に追い込んだ広島MF川辺駿「ああいう経験は必要」

[2.14 J1百年構想WEST第2節 広島 1-1(PK5-4) 岡山 Eピース]

 勢いに乗る相手を手玉に取った。サンフレッチェ広島MF川辺駿は後半、岡山の特別指定選手MF小倉幸成(法政大)から2度のタックルを受け、2枚のイエローカードで退場を誘発。序盤は互角なマッチアップもあったが、徐々にボール奪取や展開力で違いを生み出し、後半は熟練の駆け引きで圧倒した。

 小倉は今年1月のAFC U23アジア杯でU-21日本代表を優勝に導き、2028年から岡山に加入することが内定している20歳の大学生Jリーガー。今季開幕節でのJリーグデビューとあり、川辺にとっては「情報はそんなに多くなかった」相手だったが、前半のうちにスタイルを察したようで、「少しボールをこねてくれるというか、ボールを持っているところで何回か食えていた」と中盤の主導権を手繰り寄せていった。  そして後半開始1分に自陣で足裏タックルを受け、相手にイエローカードが出されると、そこからはカードマネジメントの駆け引きもスタート。際どいタックルのたびにレフェリーとコミュニケーションを取り、迎えた同26分、ボールを晒しながら相手のアプローチを誘うと、さらりとボールを隠すことで背後からのタックルを受け、2枚目のイエローカードを呼び込んだ。  川辺にとっては「来ると思ったので先に触って、案の定来てくれた」という狙い通りのプレー。退場シーンについて「1枚目にイエローカードをもらってくれたので、少し収まるかなと思ったけどそのままガツガツ来ていて、レッドカードっぽい雰囲気はずっとあった。それを活かせて良かった」と振り返りつつ、「まだ若い選手だと思うので、ああいう経験は必要だと思う」と若武者を思いやる気持ちも口にした。  一方、10人になった岡山が守りを固めたことにより、広島にとって勝ち越しゴールを奪うのが難しい展開になったのも事実。それでも川辺はPK戦で勝利した一戦を「10人になるとああいうブロックを組まれてスペースもなくなるので、崩し切るのは簡単ではない。(退場で)負ける確率はほぼなくなった。あとは何回かチャンスがあったのでチーム全体で決め切れれば良かった」と冷静に総括した。

 広島は今季からバルトシュ・ガウル監督を新たに招聘し、より再現性のある攻撃の構築が進んでいる。川辺も「効果的なビルドアップだったり、崩しが多くなってきたと思うし、長崎戦で中野(就斗)が点を取った時も今日のゴールも、サイドからのクロスだけじゃなく中もある。サイドの質があるからこそ、中でのクオリティーが活きているのでそれを出せたと思う」と手応えを感じていという。

 川辺は開幕節・長崎戦からゴールを決めるなど、攻撃の貢献も目立つが、「攻撃だけじゃなく、セカンドボールだったり、攻守の切り替えの部分がすごく重要になってくると思っている」とも言い切る。「攻撃のところは頭に置きつつも、ボランチとしてはバランスを見つつプレーできているので大きく崩れることはないなと思っている」。その自信を拠り所にしつつ、「3試合で3失点しているので、そういうのを減らしていけばもう少し楽な試合運びができる」と守備の改善を進めていく構えだ。 (取材・文 竹内達也)●Jリーグ百年構想リーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中

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