対エリキに奮闘みせた水戸DFフォファナ・マリック、昨夏までJFLから今季J1の舞台へ…“特別なクラブ”町田から初勝ち点奪取に貢献
[2.14 J1百年構想EAST第2節 町田 2-2(PK4-2) 水戸 Gスタ]
初のJ1リーグで持ち味を発揮してみせた。水戸ホーリーホックのDFフォファナ・マリックは今シーズン初出場。「樹森(大介)監督にもFWとのバトルはしっかりやってほしいと言われた。今日は空中戦、地上戦としっかりできた」(フォファナ)。強敵であるFC町田ゼルビアを相手に、強力なフィジカルで守備に奮闘した。
公式戦2連勝と調子を上げる町田に対し、樹森監督がフォファナに託した役割は「エリキを止めろ」。開幕節で2ゴールと違いを見せたブラジル人FWに要所でゴールを脅かされるが、4バックの左CBを務めたフォファナが冷静に対応した。 前半37分にはMF相馬勇紀のスルーパスからエリキに突破を許す。自陣PA内まで入られたが、背後からフォファナが迫った。「エリキ選手もスピードが速いが、自分の長所はスピード。そこはしっかり負けないように、エリキ選手の顔が一瞬下がったときに、自分のスピードなら絶対に狙えると思った」。シュート体勢に入ったエリキのコースを阻むべく、フォファナがスライディングでブロック。「そこはけっこう自信になった」と力を込めた。 だが直後のプレーでは、エリキの餌食になる。CKの流れからマークをはがされ、先制点を奪われた。「エリキ選手に決められたことはしっかり反省しなきゃいけない」(フォファナ)。その後、水戸は2得点を奪いながら、再び失点を喫して2-2。後半45分間はフォファナを始めとした守備陣が奮闘し、勝ち越しを許さなかった。PK戦で敗れはしたものの、百年構想リーグの規定で勝ち点1を獲得し、J1で初の勝ち点奪取を果たした。 「イタ(板倉健太)、ショウくん(大森渚生)、コウシくん(大崎航詩)とずっとコミュニケーションを取っていた。そこは自分の力だけじゃなくて、周りに助けられた」。そう語るフォファナはひとつの試合を引き合いに出す。それは昨シーズンのJ2第28節・レノファ山口FC戦(△2-2)。1-2で迎えた後半45分、自らが競り負けた流れから失点を喫し、2-2と引き分けていた。「しっかりあの頃から積み上げて、成長したんだぞというところを見せられたかな」。粘り強く90分を戦い抜き、初のJ1リーグでひとつの自信を手にした。 JFLから激動の一年を経て、J1の舞台に上がった。フォファナは尚志高、山梨学院大を経て、2023シーズンからJFLのFCティアモ枚方でキャリアをスタート。翌24シーズンはFC大阪でJ3リーグを戦うも、25シーズンの開幕は再びティアモで迎える。午前中にサッカー、午後はティアモのスポンサーである仕事着屋「たまゆら」で働く日々だったが、25年夏に契機が到来。JFLからJ2水戸に完全移籍で加入すると、チームはJ2優勝、そしてJ1昇格を果たした。 東京都町田市出身でもあり、対戦相手には縁を感じていた。「自分の地元だし、ここで中学生のときは試合もしていた。町田ゼルビアはJ1の中でも特別なクラブ」。小学生の頃は町田の試合もよく観戦に行っていたという。黒田剛監督の就任から一気にJ1に駆け上がった地元クラブには、山梨学院大の同期である平河悠(現ハル・シティ)が大学在籍時から特別指定選手として活躍。その姿に「自分もいつかは追いつけるように、また悠とやれるようにがんばりたい」と刺激を受けながら、フォファナ自身も研鑽を積んできた。 昨シーズン途中から戦ったJ2リーグでは2試合出場のみと機会に恵まれず、J2優勝、J1初昇格は素直に喜べなかった。だからこそ、今シーズンに懸ける思いも強い。「(ティアモ時代は)生活もキツかったけど、色んな人の支えがあったからこそ、いまJ1でプレーしている。その人たちのためでもあるし、自分はしっかりとJ1で結果を出さないといけない」。初めて立ったJ1の舞台に手応えを覚えながら、半年間の激戦に向けて決意を新たにしていた。 (取材・文 石川祐介)●Jリーグ百年構想リーグ特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中