エヌビディアCEO、原発は台湾の「優れた選択肢」-23日住民投票
Sing Yee Ong、Debby Wu
- 太陽光や風力も台湾にとって良い選択肢-フアンCEO
- 5月に脱原発実現の台湾、23日に再稼働の是非問う住民投票
米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は22日、消費電力が大きい人工知能(AI)の需要急増が見込まれる台湾にとって、原子力発電が「優れた選択肢」になるとの認識を示した。
フアン氏は台北の空港で記者団に対し、「全ての社会、全ての企業、そして全ての個人がAIを使うようになる」と指摘。原発に加え、太陽光や風力も台湾にとって良い選択肢だとし、「あらゆる形態のエネルギーが検討されると心から期待している」と述べた。
エヌビディアは5月、鴻海精密工業と共同で台湾にAI工場を設ける計画を発表。フアンCEOは同工場が「最後にならない」との見通しを示し、今後もエネルギーが必要になると語っていた。
脱原発の流れが続いていた台湾では、稼働していた最後の原発が5月に運転を停止。しかし、その再稼働の是非を問う住民投票が23日に予定されており、同政策の見直しにつながる可能性がある。
脱炭素の手段として原発への関心が世界的に高まる中、台湾の脱原発は逆行する動きとなっている。面積が狭く、エネルギーの選択肢も比較的乏しい台湾は、クリーンエネルギーへの移行を進める米アップルなどハイテク企業にとって一つの製造拠点でもあり、原発を巡る問題は重要な論点になっている。
原題:Nvidia Urges Taiwan to Embrace Nuclear Power Ahead of Referendum(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE