「家電が高すぎる!」スマホ・冷蔵庫・パソコン…物価上昇で買い替えに悩む人が続出(kufura)
近年、食料品や日用品、公共料金だけでなく、家電製品の価格上昇も家計にじわじわと影響を与えています。背景には原材料価格の高騰や物流コストの増加、そして円安といった複合的な要因があるとされ、多くの家電メーカーが価格を引き上げざるを得ない状況となっています。 今回『kufura』では、20~60代の男女477人を対象に「家電の価格高騰」についてのアンケート調査を実施。その結果をもとに、消費者のリアルな声を紹介します。
まず、最近の家電の価格について聞きました。 【10年前よりも家電の値段が上がったと思いますか?】 上がったと思う・・・80.5%(384人) 変わらないと思う・・・14.5%(69人) 下がったと思う・・・3.6%(17人) その他・・・1.5%(7人) 約8割の人が「価格は高くなった」と感じているようです。では、どの家電に対して特に値上がりを感じているのでしょうか?
アンケート調査で、特に「高くなった」との声が多く寄せられた家電トップ5を理由とともに紹介します。 ♦︎1位:スマートフォン(15.1%) 「iPhoneが値上がりし、購入価格が高いにも関わらず買い替え時に売っても大した額にはならないため、新機種でなくても良いと思うようになった」(50歳女性/主婦) 「スマホが値上がり過ぎて、買い換えサイクルが長くなって充電の持ちが悪くなって不便」(56歳男性/研究・開発) 「携帯電話の値段が上がりすぎて中古品を使うようになった」(65歳男性/公務員) スマートフォンは年々高性能になっている一方、価格も上がっています。10万円を超えるのが当たり前になり、買い替えサイクルの長期化や中古市場への流入が進んでいるようです。 ♦︎2位:冷蔵庫(4.7%) 「冷蔵庫が故障したので買い替えに家電量販店に見に行ったら、当初の予算では全然足りなかった」(53歳女性/主婦) 「あまりの価格の高さで諦め、修理にしました」(41歳女性/主婦) 省エネ機能や自動製氷などの多機能化により、冷蔵庫の価格もこの数年で大きく上がっています。大型家電であるため設置場所の制約もあり、選択肢が限られるのも悩みの一つです。 ♦︎3位:パソコン(4.4%) 「PCがそろそろ壊れそうだと思って貯金をしていたのに、それを遥かに上回る値段になってしまった」(56歳女性/その他) 「欲しいレベルのパソコンは20万円超でなかなか手が出にくい」(67歳男性/その他) 半導体やメモリ価格の上昇、円安の影響が直撃。学生やリモートワーカーにとって、パソコンの買い替えは大きな負担となっています。 ♦︎4位:エアコン(2.6%) 「エアコンが買えなくて、夏に暑い思いをした」(69歳男性/その他) 「思っていた商品よりひとランク下のものを買った」(51歳男性/その他) 暑い夏の必需品であるエアコンも値上がりの波に。設置工事費用も含めると出費は大きく、予算内で希望の機種が買えないという声が目立ちました。 ♦︎5位:洗濯機(2.3%) 「ドラム式洗濯機の最新を買いたいのですが手が出ません」(55歳女性/主婦) 「洗濯機が高すぎて買えず今は手洗いになっている」(53歳男性/その他) 高機能なドラム式洗濯機は20万円前後することもあり、買い替えを躊躇する人が増えているようです。同じスペックの機種をリピートしたくても、価格が上がっていて断念するケースも。 このように、さまざまな家電で価格上昇が顕著となっており、購入を控えたり、妥協するしかない……という意見が多数寄せられました。
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続いて、家電の価格が上がったことで「生活にどんな影響があったか」についての声を紹介します。 ♦︎買い替えに躊躇する 「一度に家電が壊れたときにお金がかかりすぎる」(32歳女性/主婦) 「今使ってる物が壊れた時にすぐ買い換えられるか不安」(67歳男性/デザイン関係) 「少々の不便は我慢するようになった」(56歳男性/コンピューター関連以外の技術職) 「全ての物が高いので、少しくらい壊れても我慢して使っている」(54歳女性/主婦) 家電が壊れても、近年の価格の高さからすぐに買い替えられないという声が多く寄せられました。修理でしのいだり、「まだ使えるから」と多少の不具合を我慢して使い続けたり、快適さや効率性は後回しになっているという声もありました。 ♦︎予算オーバーと妥協の選択 「引越しですべて買い替えようと思ったけれど、予算オーバーで古いものを使い続けることにした」(51歳女性/主婦) 「買い替えなければいけないときに欲しいものではなく妥協することがある」(37歳女性/主婦) 「さまざまな便利な機能が備わった分、値段が上がりすぎている。分割じゃないと買えない」(35歳男性/コンピューター関連以外の技術職) 「予算が足りない」「希望の商品が高すぎる」といった理由で、家電の新調を見送るケースも増えているようです。性能や機能で妥協せざるを得なかったり、希望の商品を買うために分割払いを選択したりと、家電購入が精神的・経済的な負担となっている人もいました。 ♦︎中古・リサイクル品へのシフト 「家電は定価では買えないのでリサイクルショップで買っているが、ときどき不良品を買ってしまってすぐ壊れてしまう」(66歳男性/その他) 「携帯電話の値段が上がりすぎて中古品を使うようになった」(65歳男性/公務員) 新品価格が高くなる中で、少しでも安く購入しようと中古品やリサイクル品に目を向ける人も。しかし、商品の当たり外れや保証の有無に不安を感じる声も少なくありませんでした。 ♦︎消費意識の変化 「家電を大事に使って長持ちを意識するようになった」(57歳男性/金融関係) 「新しいものを買う気が起きない」(60歳男性/その他) 「買い替える頻度が減ると思う」(56歳女性/その他) 「買い直しのために検討する時間が必要になった」(47歳女性/営業・販売) 気軽に買い替えることが難しいため、家電を「長く使う」ことが以前にも増して重視されています。最新の便利機能に魅力を感じても、「本当に必要かどうか」を見極めてから購入するという姿勢が広がっているようです。 家電の価格高騰は、多くの人にとって暮らしの悩みのひとつとなっています。思うように買い替えができず不便さを抱える一方で、中古品の活用や長く使う工夫など、限られた予算のなかで賢くやりくりしようとする姿が浮かび上がってきました。暮らしの必需品だからこそ、無理なく買える価格で、“ちょうどいい”家電がもっと増えてくれると嬉しいですね。
ナカムラミカ