中国、通商協議の「成果」守れとトランプ氏をけん制-首脳会談控え

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  • 27日の株式市場では、香港H株指数が一時1.3%高
Photographer: Cheng Xin/Getty Images AsiaPac

中国共産党の機関紙、人民日報は27日、習近平総書記(国家主席)とのトランプ米大統領と会談を控え、米中通商協議で「苦労して得た成果を共同で守る」よう呼びかけた。

  中国と米国の通商交渉担当者は26日、マレーシアで2日間にわたって協議を行い、関税や海運料金、合成麻薬フェンタニル、輸出管理など幅広い分野で一連の合意に達したと発表した。

  相互の追加関税や新たな輸出規制の応酬で関係悪化が懸念されていたが、今回の合意は両国関係の緊張緩和を示す動きとなった。

米中の通商交渉責任者は、両国間で対立していた複数の論点について合意に達したと明らかにした

  人民日報は27日の論評で、米中が対立を管理できる能力を示したとし、融和的な論調を取った。中国の対外政策見解を示す際によく使われる筆名「鐘声」名義で書かれた論評は、「双方とも問題に不意を突かれたわけではなく、解決に集中した」としている。

  27日の株式市場では、香港上場の本土銘柄から成るハンセン中国企業株(H株)指数は一時1.3%高となった。通商協議の成果を受けて安全資産への需要が後退し、中国10年国債の利回りは小幅に上昇した。 

  トランプ氏と習氏は今週、韓国で対面会談を行う。トランプ氏が政権復帰して以来初めての直接会談となる。会談では、中国による米国産大豆の購入計画や、米国が中国船舶に課している海運料金の扱い、希土類輸出管理の詳細などが協議される見通しだ。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の舒暢、曲天石、ジェニファー・ウェルチの3氏はリポートで、「首脳が合意を承認する見込みだが、市場に持続的な安心感をもたらすかどうかは不透明だ。米中関係の新たな現実は、断続的な亀裂と短期的修復の繰り返しのようだ」と指摘した。 

原題:China Asks US to Protect ‘Hard-Won’ Results Before Xi-Trump Meet (抜粋)

— 取材協力 John Liu, Jing Li, Wenjin Lv, Winnie Hsu and Jiyeun Lee

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