メキシコ大統領、痴漢被害 尻と胸触られる
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【11月6日 AFP】メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は5日、路上を歩いていたところ、男に体を触られキスをされそうになったことを踏まえ、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を全国的に犯罪行為とするよう訴えた。
事件は4日、シェインバウム氏が大統領府近くのイベント会場に向かって歩いている最中に発生した。ソーシャルメディアに投稿された動画によれば、シェインバウム氏は道中、写真撮影や握手に応じていた。
酒に酔っているとみられる男はシェインバウム氏の背後から近づき、肩に腕を回し、もう片方の手で尻と胸を触った。首にキスしようとしたところを大統領警護隊員に引き離された。
メキシコ初の女性大統領であるシェインバウム氏は5日、男が他の女性たちにもセクハラ行為を続けていることに気づき、警察に通報することにしたと説明した。
当局はその後、男を逮捕したと発表した。
シェインバウム氏は午前の記者会見で、「私が告訴しなければ、他のメキシコ人女性はどうなるのだろうか? 大統領でさえこんなことをされるのなら、この国のすべての女性はどうなるのだろうか?」と述べた。
セクハラ行為を全州で犯罪行為とするためのキャンペーンを開始するかどうかを政府として検討すると付け加えた。
シェインバウム氏は若い頃にもセクハラを受けたことがあるという。
メキシコを構成する32州はそれぞれ独自の刑法を持っており、すべての州でセクハラ行為に対する刑事罰が規定されているわけではない。
事件にもかかわらず、シェインバウム氏は男に丁寧に接し、写真撮影に応じた後、男の背中を軽くたたいた。
シェインバウム氏は、「この人物は完全に酔っぱらった状態で近づいてきた。薬物を使用していたかどうかは分からない」「動画を見て初めて、何が起こったのか理解した」と述べた。
男性に対する告訴状は、セクハラが法律で処罰される首都メキシコ市の検察庁に提出された。
この事件は、大統領警護隊への批判や、女性のパーソナルスペースや身体への不当な侵害を常態化させるいわゆる男性優位主義への非難を巻き起こした。
国連女性機関のデータによると、15歳以上のメキシコ人女性の約70%が、人生で少なくとも一度はセクハラ被害に遭っている。(c)AFP