試合内容が極端に悪かったとは思わない。しかし、チームとして、クラブとして、今後について考えさせられる一戦だった [百年構想リーグ17節 柏戦レビュー]
守備で一定の成果を上げた一方……
チームとして、クラブとして、今後について考えさせられる一戦だった。
試合内容が極端に悪かったとは思わない。「前半は9割5分、自分たちのゲームだった」という天野純の言葉は、若干割り引いて受け取るべきだとしても、マリノスがそれなりに支配していたのは事実だろう。最前線からマンツーマン気味に仕掛ける積極的なプレスはある程度機能していた。
「秀夫さん(大島監督)のコンセプトである、前からハメてのショートカウンターが今日はできていた」と天野。例えば水戸ホーリーホック戦のような消極的に見える戦い方は、連戦によるチーム事情やメンバー編成を鑑みた上での戦略だった。前節の鹿島アントラーズ戦や昨日の柏レイソル戦がマリノスの戦い方の基準点だ。
一方で、攻撃については形すら見えてこないというのが正直なところであろう。後方からボールをつなごうという意図は見え隠れしても、現実はわずか2~3本のパスで行き詰まり、結局はロングボールに頼ってしまう。空中戦に秀でた選手を前線に配しているわけではなく、そもそも全員のベクトルが揃っていないので五分五分の競り合いは相手ボールになる確率が高くなってしまう。
センターバックの角田涼太朗の視点は的確で貴重だ。
「まだ恐る恐るプレーしている感じが、後ろから見ているとある。もっと簡単にクロスを上げたり、シュートで終わってもいいのかなと。中が準備できていたり、一歩動けば取れるのにとか、後ろから見ていると思うことはある。自信がないなら練習しないといけないし、もっと自信を持ってやっていいのかなと感じた」
チーム全体にかつてのような流動性はない。選手間に阿吽の呼吸もない。かといって即興力を発揮できる個の質も担保されていない。得点の多くは偶発的で、再現性に乏しい。相手のセンターバックの質が低ければチームとして互角以上に戦えるが、そこでの勝負で後手を踏むとたちまち苦しくなるのはずっと変わらない。
守備の脆弱さも問題で、ここぞという場面で踏ん張り切れない。得点シーンの形を狙っていたのかは定かではないが、アシストした久保藤次郎があの形を得意としているのは間違いない。相手が得意としているプレーで失点しているのだから、たまたまや事故では済まされない。
26-27シーズンに向けて
選手の質を上げるのが手っ取り早くチームを強くする方策だが、さまざまな事情から難しい。
(残り 922文字/全文: 2084文字)
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。