浦和が今季初の3連勝で一気に暫定4位浮上!! 電撃監督交代の横浜FMは守備陣にミス多発、最下位転落でACLE最終決戦へ
J1リーグは20日、第11節を各地で行い、浦和レッズが横浜F・マリノスを3-1で破った。これで第10節・町田戦から3連勝で、ホームゲームでは4連勝。一気に暫定4位まで浮上した。一方の横浜FMは監督交代後の初陣で守備陣にミスが相次ぎ、最下位に転落。7戦勝ちなし(2分5敗)のままAFCチャンピオンズリーグエリート(ACL)の最終決戦に向かうこととなった。
ホームの浦和は16日の第20節前倒し分・京都戦(○2-1)と同じ先発メンバー。中2日から中3日と続いた3連戦でも信頼の主力陣を起用した。対する横浜FMは16日の第12節前倒し分・清水戦(●2-3)後に今季就任のスティーブ・ホーランド監督を電撃解任。この試合が終わるとACLE準々決勝以降のサウジアラビア遠征が控える中、ヘッドコーチのパトリック・キスノーボ氏が暫定監督として指揮を執った。[スタメン&布陣]
試合は前半開始からわずか10秒後、アクシデントから幕を開けた。横浜FMは右ウイング起用のFW宮市亮が高い位置でDF長沼洋一と競り合った際、頭同士で接触してそのままピッチに倒れ込む。ピッチ上で慎重な状態確認が行われたが、脳震盪の疑いがあったようでプレーを続けられず、前半6分にFWヤン・マテウスが投入された。
それでも最初のチャンスは横浜FMが作った。浦和FWマテウス・サヴィオのフリックミスをFW植中朝日が拾ってカウンターを仕掛け、右サイドをFWヤン・マテウスが攻め込むと、クロスボールにMF遠野大弥が反応。ダイレクトシュートが枠内に飛んだが、これはGK西川周作のファインセーブに阻まれた。
その後は一進一退の攻防が続く中、浦和は前半30分から立て続けに決定機を演出。2戦連続ゴール中のFW松尾佑介の突破はトリッキーなヒールパスが相手に阻まれるも、二次攻撃からM・サヴィオが惜しいスルーパスを送る。また同31分にはDF石原広教のマイナスのクロスからMF安居海渡がミドルシュート。だが、これはDFトーマス・デンのヘディングクリアに阻まれた。
対する横浜FMは前半41分、ヤン・マテウスの右CKにDF諏訪間幸成が反応したが、ヘディングシュートは惜しくもゴール左に外れる。筑波大4年でプロ契約をかわし、ここまで5試合連続で先発出場している21歳だが、プロ初ゴールとはならなかった。
すると前半アディショナルタイム6分、浦和が試合を動かした。渡邊がDF松原健のファウルを誘ってゴール左斜め前でFKを獲得すると、キッカーを務めたのはM・サヴィオ。同8分、壁のいない右のコースに低いシュートを放つと、読みを外された横浜FMのGK朴一圭は動けず、ゴールを明け渡す形となった。
そのまま試合は後半へ。すると開始1分、横浜FMにまさかのミスが起きた。右サイドからのスローインを松原が自陣ゴール前に戻すと、相手のプレッシングを受けた諏訪間がクリアミス。これを拾った浦和FW渡邊凌磨が無人のゴールに押し込み、2-0となった。
ところがここから横浜FMが意地を見せた。前半14分、スローインを松原がクイックリスタートし、ヤン・マテウスが右サイドを駆け上がると、ペナルティエリア内への横パスを植中が巧みにキープ。そのまま後ろにパスを流し、そこに飛び込んだMF山根陸が右足ダイレクトでねじ込んだ。21歳の山根はJ1通算69試合目で待望の初ゴール。また松原は失点の責任を取り返す見事なスローインとなった。
その後は両チームともに選手交代を行い、横浜FMはここまで一貫して出番のなかったDF加藤蓮が新体制初陣で待望の今季初出場。対する浦和は負荷の高い2列目に代わってMF松本泰志、MF原口元気、MF関根貴大が投入された。
そうして迎えた後半38分、横浜FMに最大のビッグチャンス。山根が自陣でボールを奪い切り、そのまま縦パスでスイッチを入れると、途中出場FWエウベルに預けてカウンターが始まる。ヤン・マテウスからのクロスがファーに通り、エウベルが落とし、あとは目の前で決めるだけという局面。だが、植中のシュートは右に逸れてしまい、ゴールとはならなかった。
すると後半43分、命拾いした浦和が決着をつけた。左CKのこぼれ球から二次攻撃を続け、左サイドの原口が縦突破を仕掛けると、左足クロスにDFダニーロ・ボザが反応。ヘディングでネットを揺らし、加入後初ゴールが2点差に広げる貴重な一発となった。
横浜FMは後半45分、勢いのある中央打開からまたも植中にビッグチャンスが訪れるも、これが相手に阻まれ、ヤン・マテウスがこぼれ球をゴールに沈めたがオフサイドの判定。そのままタイムアップを迎え、3-1で勝利した浦和が3連勝で一気に4位浮上を果たした。 (取材・文 竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集