米加州がトランプ関税差し止め訴訟、大統領権限乱用と主張
[16日 ロイター] - 米カリフォルニア州は16日、トランプ大統領が打ち出した一連の関税措置の実行差し止めを求める訴訟を、サンフランシスコの連邦地裁に提起した。トランプ氏が大統領権限を乱用し、連邦や同州に金銭的な打撃を与えていると主張している。
同州は訴状で「合衆国憲法は議会に関税を課す権限を与えている。トランプ氏が関税発動の根拠として持ち出している国際緊急経済権限法(IEEPA)は、米国に輸入される全ての製品に対して大統領が思い付きで課税するのを認めているわけではない」と述べた。
さらに「トランプ氏の新たな関税は既に米経済に壊滅的な影響を及ぼし、株式市場と債券市場を混乱させ、数時間で何千億ドルもの時価総額が消失した。事前の告知や手続きがないこうした大統領の措置を前にして投資も冷え込み、米国が景気後退に陥る脅威を生み出している」と強調した。
また同州単独でも経済規模は世界第5位で、各州の中で最も輸入規模が大きいため、尋常ではない関税の負担が降りかかっているという。
訴状には、関税によって米国の輸入製品の4割を扱っている州の12カ所の港湾が機能しなくなり、中国などからの報復関税で州の農産物輸出が痛手を受け、数千人の雇用が失われかねないと記されている。
こうした状況を踏まえ、ニューサム州知事とボンタ州司法長官は連邦地裁に対して、国土安全保障省と傘下の税関・国境取締局(CBP)が関税手続きを執行するのを禁止してほしいと要請した。
一方ホワイトハウスのデサイ報道官は、ニューサム氏は関税差し止めに動くよりも、犯罪やホームレス問題、州の物価高の解決に注力すべきだと述べた。
トランプ氏の関税措置を巡っては、既にニューヨークやフロリダ、モンタナの裁判所にも企業団体などが異議を申し立てる訴えを起こしている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
Brendan Pierson reports on product liability litigation and on all areas of health care law. He can be reached at [email protected].