貿易収支、7月は予想に反し赤字転落 対米自動車輸出台数も減少

 財務省が8月20日発表した貿易統計速報によると、7月の貿易収支は1175億円の赤字となった。赤字は2カ月ぶり。写真は、横浜港で輸出を待つ車。3月27日、横浜で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日発表した貿易統計速報によると、7月の貿易収支は1175億円の赤字だった。ロイターの予測中央値は1962億円の黒字で、予想に反して2カ月ぶりに赤字へ転落した。対米自動車輸出台数も減少に転じ、米関税政策の影響が生産活動に及ぶ懸念が出てきた。

貿易収支のうち、輸出は前年同月比2.6%減の9兆3591億円だった。自動車や鉄鋼、自動車部品の輸出額が減少した。3カ月連続でマイナスとなった。

地域別では、対米輸出が10.1%減の1兆7285億円と4カ月連続のマイナスだった。このうち自動車は金額ベースで28.4%減少し、上乗せされた関税のコストをメーカーが肩代わりする現状を浮き彫りにした。米国向けは半導体製造装置も31.3%減った。

対米自動車輸出は、金額ベースにとどまらず台数も3.2%減少した。財務省によると、輸出台数の減少は2カ月ぶり。市場では「多少なりとも数量面での影響が出始めている」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との見方が出ている。

輸出全体では、欧州連合(EU)やアジア向け、中国向けも軒並み減少した。これまでの増加基調が一服した。

一方、輸入は7.5%減の9兆4766億円で、2カ月ぶりに減少した。原粗油や石炭、液化天然ガスがマイナス寄与となった。

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