ツール・ド・フランス2025 第2ステージはファンデルプールが勝ってマイヨ・ジョーヌ|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月6日に北部ノール県のロワン・プランクからドーパー海峡に面した港町ブローニュ・シュル・メールまでの209.1kmで、丘越え区間の第2ステージを競い、オランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)をアップヒルのゴールスプリントで打ち負かし、2021年に続いて2回目の区間優勝を果たした。
ファンデルプールがゴールスプリントでポガチャルを打ち負かした (©SprintCycling)
区間3位はデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)だった。初日に区間優勝し、この日はマイヨ・ジョーヌを着ていたベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)は31秒遅れでゴールし、チームメイトのファンデルプールが総合首位に立ち、マイヨ・ジョーヌを獲得した。現在30歳の彼は、2021年に区間初優勝した時にもマイヨ・ジョーヌを6日間着用している。
ファンデルプールが4年ぶりでマイヨ・ジョーヌを獲得した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
土砂降りのスタート
第2ステージは大雨のスタートになった (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
今大会最長区間の第2ステージは、スタートが15分遅れるほどの土砂降りで始まった。182選手が出走し、すぐに4選手が逃げ出した。雨は次第に小止みになり、ゴールまで残り54.5kmの中間スプリントを通過後、逃げは吸収された。
レースが動き始めたのは、ゴールまで残り29.8kmで通過したカテゴリー3のオー・ピショの丘だった。丘のふもとでワウト・ヴァンアールト(チームヴィスマ・リースアバイク)が集団の先頭に出たが、すぐにベルギーチャンピオンのティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭に立ち、集団を引き続けた。頂上はウェレンスが先頭で通過して2ポイントを獲得し、すぐ後ろを走っていたポガチャルが1ポイントを得た。先頭は一時30人ほどになったが、丘を越えた後にまた1つになった。
ゴールまで残り10kmを切り、カテゴリー3のサンテチェンヌ・オー・モンの丘が始まり、ティシュ・ベノート(チームヴィスマ・リースアバイク)、マッテーオ・ジョーゲンソン(チームヴィスマ・リースアバイク)が集団を引いた後、ポガチャルが先頭に出て頂上を越え、2ポイントを獲得した。彼はオー・ピショの丘で1ポイント取っていたため、山岳賞で総合首位になった。
(photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
カテゴリー4のウトゥローの丘はすぐに始まり、20人ほどに減った先頭グループはジョナタン・ナルバエス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が引いた。前日とは異なり、この日は総合を争う選手たちは先頭集団に顔を揃えていた。丘の頂上はケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ)が先頭で通過した。彼はその後もアタックを試みたが成功しなかった。
わずかに飛び出したフロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)は残り1kmのフラム・ルージュを通過した後に吸収され、ブローニュ・シュル・メールのアップヒルが始まるとジュリアン・アラフィリップ(チューダー プロサイクリングチーム)がアタックしたが失敗した。アラフィリップを吸収した集団の先頭はファンデルプールだった。彼は後方を確認しつつ、残り200mからスパートし、追い上げるポガチャルを何とか退け、区間優勝を果たした。
マイヨ・ジョーヌのフィリプセンに祝福されるファンデルプール photo : A.S.O. /Charly Lopez
■4年ぶりで区間優勝し、マイヨ・ジョーヌを獲得したファンデルプールのコメント 「ゴールは思っていたよりもキツかったから、とても難しかった。でも、ボクはやる気満々だった。初優勝から4年経って、遂に2勝目を得る時が来たんだ。マイヨ・ジョーヌを獲得するのも2回目だから、待った甲斐があったと思う。もちろん、人々はボクを(今日の)優勝候補に上げていたが、ここの上りで先頭に居た選手たちを見れば、本当に良い仕事をしたと思う。
チームは最後の500mを研究しろとボクに言った。我々はゴールのビデオを持っていたから、何度か観た。スプリントになった時にどうしたいかは念頭にあったが、2位と3位が誰だったのかを見れば、それがいかにハードだったか分かるだろう。ゴールする前に両手を上げる勇気はなかったよ。でも、信じられないような瞬間だった。
チームにとっては夢だ。この後得られるものは単なるボーナスさ。このマイヨをタイムトライアル(第5ステージ)までは守れると望んでいるが、その後はとても難しいだろう。区間1勝するのが目標だったから、それが達成できて嬉しい」
ポガチャルがマイヨ・アポワを獲得した (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
■第2ステージ結果 [7月6日/ロワン・プランク~ブローニュ・シュル・メール/209.1 km] 1. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) 04h 45′ 41” 2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 4. R. GREGOIRE (GROUPAMA-FDJ / FRA) 5. J. ALAPHILIPPE (TUDOR PRO CYCLING TEAM / FRA) 6. O. ONLEY (TEAM PICNIC POSTNL / GBR) 7. A. PARET PEINTRE (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) 8. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) 9. S. VELASCO (XDS ASTANA TEAM / ITA) 10 J. BERCKMOES (LOTTO / BEL)
26. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) + 00′ 31”
■第2ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ) 1. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) 08h 38′ 42” 2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) + 00′ 04” 3. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 06” 4. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 10” 5. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 10” 6. E. MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 10” 7. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) + 00′ 31” 8. J. BLACKMORE (ISRAEL – PREMIER TECH / GBR) + 00′ 41” 9. T. JOHANNESSEN (UNO-X MOBILITY / NOR) + 00′ 41” 10. B. O’CONNOR (TEAM JAYCO ALULA / AUS) + 00′ 41” 18. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 49”
21. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 00′ 49”
[各賞] ■ポイント賞:J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) ■山岳賞 : T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) ■新人賞 :K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) ■チーム成績:GROUPAMA-FDJ (FRA) ■敢闘賞 : B. ARMIRAIL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA)
マイヨ・ジョーヌを失ったフィリプセンはまだマイヨ・ベールを守っている (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
第3ステージはスプリント区間
●第3ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)
7月7日は北部ノール県のヴァランシエンヌから北海沿いの港町ダンケルクまでの178.3 kmで、平坦区間の第3ステージが行われる。
(photo : A.S.O. /Charly Lopez)
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