ベッセント米財務長官、欧州のデジタルサービス税が交渉の障害と主張
- EUは通商交渉始める前にデジタルサービス税を内部で解決すべきだ
- ベッセント氏は日韓との交渉に関与、「こうした国は選挙目的で熱心」
欧州連合(EU)が米国との通商協議に入れるようになるには、幾つか「内部の問題」をまず解決する必要があると、ベッセント米財務長官は述べた。その問題として、EUの一部で導入されているデジタルサービス税を名指しした。
ベッセント氏は29日、「われわれはさまざまな関心を持って交渉している」とホワイトハウスで発言。「欧州の一部諸国は不公平なデジタルサービス税を(米国に対して)課している」と主張した。
米国の歴代の政権は、アマゾン・ドット・コムやグーグルの親会社アルファベットなど米国のテクノロジー大手企業を標的とする外国政府の「不公平な」動きに反対してきた。
ベッセント氏はこの日、フランスとイタリアをやり玉に挙げ、「ドイツやポーランドなど他国は導入していない。米国の偉大な業界の一つに対する不公平な税制は撤廃してもらいたい」と述べ、「これは互いのバランスだ。EUは外部との交渉を始める前に、内部の問題を幾つか決着させることが先だ」と続けた。
欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は28日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国との協議では「処理すべき問題がまだ山ほどある」と指摘した。同委員はまた、ベッセント氏と先週ワシントン会談し、「友好的で率直」な会談だったとX(旧ツイッター)に投稿した。
ベッセント氏は、日本や韓国などアジア諸国との交渉では大部分に関与していると明らかにした上で、トランプ大統領が貿易相手国に対する上乗せ関税の90日間停止を発表する数日前に、日本の石破首相ら政権幹部との交渉を開始したと説明した。
ベッセント氏は日本や韓国、カナダの国内圧力に触れ、「こうした国々は実際、米国との交渉はうまく行ったと示したいために、貿易協定の枠組み合意を確保したいと考えている」との見解を示し、「従って、こうした国々は交渉にやって来て決着させ、本国に戻ってそれを選挙に利用することにはるかに熱心だ。それが明らかになりつつある」と語った。
原題:Bessent Cites Digital Services Tax as Sticking Point in EU Talks(抜粋)