人工衛星は「バネ」で放たれていた。実際にキャッチしてみたよ(ギズモード・ジャパン)

会場の中で一際興味を引いたのは、カリフォルニア州のロングビーチに本社を置くROCKET LAB社のセパレーションシステム。 展示されていたのは、非火工式(火薬を使わない装置)の「Advanced Lightband 8」。 直径約20cmの8インチモデルは、Cubesatという小型の人工衛星用に使われます。 最大の特徴は、圧縮されたスプリングが解除と同時にペイロードを押し出すこと。 以前は、火工式という、小さな爆発で生じた反動で分離する方法がメインでしたが、爆発物の取り扱いリスクや、衝撃の大きさ、実機での繰り返し試験が困難、再利用できないなどの理由から、スプリング式に取って代わられるようになったそう。

火薬を使わないセパレーションシステムだから、SPEXAでも体験型の展示が可能になりました。 力加減を打ち込んで、3・2・1でボン! 重たいのか、掴んだときにゴツゴツしたパーツが当たって痛くないのかなどと、発射前はドキドキしました。落とさないようにキャッチするだけで心配になるのに、ロケット打ち上げともなったらどれほど緊張するのでしょう。 全工程で完璧を求められる人たちのプレッシャーたるや、相当なものですよね。 それが垣間見れた気がして、めちゃくちゃテンション上がりましたよ。 宇宙ビジネスは右肩上がり。民間企業が参入できるようにあり、小型の人工衛星市場も拡大の一途を辿っています。安全に、しかも再利用可能で何度も使える非火工式セパレーションシステムは、これからの宇宙ビジネスをしっかり下支えしてくれそう。 今後、ペイロードが開くたびに、この「ボン! 」の瞬間を思い出すんだろうな。 Source: ROCKET LAB

中川真知子

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