ウクライナが迎撃ドローン量産へ…ドローン同士の戦いが本格化(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)

ゼレンスキー大統領は、ウクライナが11月末までに1日あたり最大800機の迎撃ドローンを製造できるようになると述べた。これは、ウクライナが新技術の大規模配備に自信を深めていることを示している。かつては斬新なアイデアとされた迎撃ドローンは、いまや防空の新たな柱となりつつある。 ウクライナはついに、迎撃ドローンの量産体制を整えようとしている。これは、無数のドローン同士が空中で戦うという、新たな防空戦の時代に世界が一歩近づいたことを意味する。 【全画像をみる】ウクライナが迎撃ドローン量産へ…ドローン同士の戦いが本格化 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は2025年11月3日、ロシアのドローン攻撃機を飛行中に破壊するために設計された安価かつ高速のクアッドコプターを、11月末までに1日あたり600〜800機生産できる見通しだと述べた。 これは、ゼレンスキー大統領が7月に掲げた「1日1000機」という当初の目標を下回るものの、より現実的で近い将来に達成可能な水準を示している。 ゼレンスキー大統領は記者団に対し、こう述べている。 「秋には1日最大1000機の迎撃ドローンを生産できると述べたが、これは簡単なことではない。順調に進めば、11月末までに1日あたり600〜800機を生産できると考えている」 ただし、ロシアの攻撃や破壊工作によって生産が妨げられないことが前提であり、「ご存じのとおり、攻撃は時々発生しており、エネルギー関連施設だけが標的になっているわけではない」と付け加えた。 迎撃ドローンは、無人航空システムであり、接近してくる攻撃用ドローンを追跡して衝突するのに十分な機動性と速度を備えるように設計されている。場合によっては、爆発物を搭載することもある。 西側製の地対空ミサイルは1発数百万ドルに達することもあるのに対し、迎撃ドローンははるかに安価であるため、ウクライナ側は高速ドローンを増産しようとしている。 ロシアは、自爆ドローン「シャヘド」やデコイ(おとり)機「ゲルベラ」を一晩で数百機飛ばし、同時に高性能ミサイルを発射するなどして、ウクライナの防空網を圧倒しようとしている。 イランが設計したシャヘド136は、ウクライナや西側諸国の推定では1機あたり約2万〜7万ドル(300万~1100万円)とされる。西側の地対空ミサイルは1発で数百万ドルに及ぶため、ウクライナは費用対効果の高い迎撃手段を模索している。 ドローンメーカーはここ1年ほどで迎撃機の性能向上に注力しており、速度や機動性を高めつつコスト削減を図っている。その一方で、ウクライナの都市部は繰り返し砲撃を受け、毎週のようにエネルギー施設や住宅の損壊が報告されている。 数カ月にわたる開発を経て、ゼレンスキー大統領が示した新たな生産スケジュールと生産量見通しは、ウクライナ国内の企業やウクライナ軍が迎撃ドローンの性能に十分な自信を持ち、大量生産へと踏み出す準備が整ったことを示している。

Matthew Loh

BUSINESS INSIDER JAPAN
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