「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
鑑定留置とは、事件の被疑者や被告人に刑事責任能力があるかどうか鑑定するために実施される。全国紙の社会部記者が解説する。 「平原容疑者と被害者らの間に面識はなかったとみられ、警察の捜査の中で、"バカにされたと思った"などと語っているといいます。 2度の鑑定留置の結果、平原容疑者には『妄想』の症状があり、それが事件に一定の影響を与えたとされています。一方で、善悪を判断する能力が失われていない"心神耗弱"の状態だったと判断され、殺人罪などで今月中に起訴される方針だと聞いています」 不可解な経緯で、未来ある少年少女に凶刃を向けた平原容疑者。NEWSポストセブン取材班は、その"異常な行動"について近隣住民から証言を得ている。平原容疑者の自宅の近くに住む70代男性は、このように語っていた。 「もう毎日と言っていいくらい、家から大声で叫んでいるのが聞こえるんです。それもスピーカーやマイクを通して『わー! わー!』といった感じで……。たまに歌っている時もありましたね。 2024年に入ってから特にひどいですね。『おお!』とか『わーーっ!』という感じで。あとなにかをバンバン叩いているような音も聞こえたことあるな。(2024年の)夏ごろには警察にも通報が入って、『子どもが怯えるから』と注意されたようです。それでパトカーが巡回するようになったんですけど、騒音は止みませんでした」 ほかにも「軍歌や歌謡曲を大声で歌っている」「夏ごろに爆竹を鳴らしていた」といった証言が近隣で相次いだ。
こうした証言が聞かれた平原容疑者。暮らしぶりには余裕があったようだ。事件現場から徒歩15分ほどの距離にある自宅は、塀に囲まれた立派な一軒家で、看板に「平原」と書かれた月極駐車場も併設されていた。登記簿をみると、この一軒家を平原容疑者が所有していることになっている。70代男性が続ける。 「土地と家はお父さんというか、ご家族が持っていたものを受け継いだんだと思います。近所の人が町内会に誘ったら『お店をやっていて、そこで入ってるから』と断られたこともあったそうなんで、なにか商売でもしているのかも」 平原容疑者の高校時代を知る人物は、近年の迷惑行為とは異なる印象を持っていたようだ。同じ北九州市内の男子校に通っていたという元同級生は、「まさかあいつが」と事件に驚きを示していた。 「優しい男、という印象なんです。部活はバスケ部にいて、穏やかな性格っていう感じでした。目立たない印象というような報道があったけど、そこまでではない。やんちゃするタイプではないけど、明るいし、よく笑うんです。挨拶もしっかりできる。 ほかの学校の学園祭に一緒に行ったこともありました。僕が揉めたり取っ組み合いの喧嘩をした時には、止めてくれるような性格だったんです。『まあまあまあ』となだめる役というか。自分から喧嘩するようなタイプではない」 また、平原容疑者がかつて暮らしたアパートの所有者の男性も、「当時はトラブルなど全くありませんでした」と振り返っていた。このアパートで生活していた頃、平原容疑者には妻子がいたが、事件が起きる約2年前に離婚している。 家庭環境の変化が、事件の背景にあるのか──。いずれ行われる裁判では、平原容疑者の責任能力が争点となりそうだ。