CO2濃度と上昇幅が過去最高を記録。世界気象機関がさらなる気象災害に警鐘
過去最高になれちゃダメなのよね…。
「過去最高」や「観測史上最高」という言葉が乱れ飛ぶ気候変動関連のニュース。今回は、2024年の二酸化炭素(CO2)濃度が「過去最高」を記録してしまったことをお知らせします。あ、おまけに、年間の上昇幅も過去最高だったそうです。
CO2濃度も上昇幅も過去最高を更新
世界気象機関(WMO)の報告書によると、2024年における大気中のCO2濃度が過去最高の423.9ppm(ppmは100万分の1)に達しました。産業革命前の水準(280ppm)から50%以上増加しています。
Image: WMO1984年から2024年までの世界平均CO2濃度(a)と増加率(b)また、2023年から2024年にかけて、世界平均CO2濃度が3.5ppm増加。この数値は、現在の観測方法が始まった1957年以来で最大の増加量でした。これまでは、2016年の3.3ppm上昇が最大でした。
平均増加量は、観測開始当初の年0.08ppmから、2011年からの10年間では2.4ppmと、3倍に加速しているとのこと。
濃度も過去最高、増加量も過去最高。まったく喜べない過去最高が並んでいますね…。
また、CO2以外の人間活動由来の温室効果ガスとして知られるメタンと亜酸化窒素も、過去最高レベルの濃度に達しており、産業革命前の水準と比較して、それぞれ16%と25%増加しています。
地球の温室効果、マシマシです。
化石燃料の燃焼と山火事が主因
WMOは、2023年から24年にかけてのCO2濃度急上昇の主な要因は、化石燃料の燃焼のほかに、世界で相次いだ森林火災に起因するCO2排出や、史上最強レベルのエルニーニョ現象発生による高温で、陸地と海洋のCO吸収量が減少したことを挙げています。
エルニーニョ現象発生中は、植生が乾燥しやすくなり、森林火災によって吸収源が減るため、CO2濃度は上昇しやすくなるとのこと。暑くなりすぎると、陸地も海洋もCO2吸収機能が低下するということは、これからもっとこの負のループがグルグルしちゃうのでは…?
WMOのKo Barrett副事務局長は、温室効果ガス濃度の上昇に警鐘を鳴らします。
CO2やその他の温室効果ガスによって閉じ込められた熱は、気候を温暖化させ、より極端な気象現象を引き起こしています。排出量の削減は、気候だけでなく、経済の安定や社会のウェルビーイングを高めるために不可欠です。
世界も日本も、2023年から3年連続で説明不能な暑さになっています。日本でも熱波やゲリラ豪雨が頻繁に発生し、山火事も相次いで発生しました。温室効果ガス排出量の削減が急務です。
Source: WMO