中国が米国非難、「世界平和脅かしている」-SCO首脳会議前に
中国は今年最大の外交イベントである上海協力機構(SCO)首脳会議の開催を前に、名指しを避けながらも米国を「世界平和を脅かしている」と非難した。
中国の劉彬外務次官補が22日に北京で記者団に語ったところによれば、SCO首脳会議には20以上の外国首脳が参加する見通し。ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相、トルコのエルドアン大統領らの出席が見込まれている。
首脳会議は8月31日から9月1日に、天津で行われる。
劉氏はこの首脳会議について、「他者の利益よりも自らの利益を優先しようとする特定の国」の主義や価値観を打破するものだと主張、米国を当てこすった。
SCOの「指針と中核的な理念」は、「文明の衝突や冷戦思考、ゼロサムゲームといった時代遅れの概念」を超越しているとも劉氏は説明。SCOは「時間とともに強くなったが、いっそう存在感を増している」と述べた。
中国がロシアと共に主導するSCOは、北大西洋条約機構(NATO)への対抗軸として発足したと西側では見なされ、米国は一度も招待を受けたことがない。
2001年に中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国によって設立されて以来、加盟国はほぼ倍増し、モンゴルやサウジアラビアなど多数のオブザーバー国や対話パートナーも抱えている。
トランプ米大統領の関税政策で米国との関係が緊張している各国は、対外関係の修正を迫られている。中国とインドは最近、国境画定を模索することで合意し、関係修復に向けて大きく動き出した。
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劉氏によると、習近平国家主席はSCOの発展を支援する新たなイニシアチブと行動計画を首脳会議で発表し、世界的なガバナンスシステムの改善に向けた新たな手法やアプローチも提案する。
「習主席は他の加盟国首脳とともに天津宣言に署名し、今後10年間のSCOの発展戦略を承認する」と劉氏は述べた。
今年の首脳会議には、イランのペゼシュキアン大統領、インドネシアのプラボウォ大統領らも出席する。
プーチン氏やベラルーシのルカシェンコ大統領など一部の出席者は、9月3日に開催される第2次大戦終結80周年を祝う中国の軍事パレードにも出席する。パレードでは中国の最新兵器が披露される見込み。
原題:China Makes Veiled Jab at US Before Hosting Modi, Putin, Erdogan(抜粋)