「俺は大谷翔平だ!」とつぶやくだけでメンタルが強くなる科学的な理由【心理学者が解説】(ダイヤモンド・オンライン)

 プレゼンや大事な商談の前に不安や緊張で押しつぶされそうになる経験は、誰しもが持っていることだろう。そんな「本番に弱い」自分を克服するためにはどうしたらいいのだろうか。一流のアスリートも実践する「心の整え方」を、心理学者が科学的根拠とともに解説する。※本稿は、内藤誼人『くよくよしたら手を洗おう。』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● メンタルを強くしたければ 「大谷翔平になりきれ」!?  催眠術にかけられた人が、重いものを軽々持ち上げたり、自分が別人になったかのように話し始めたりする映像を見たことはありませんか?暗示の力は、私たちが思っている以上に、心と体に大きな影響を与えるものです。  ロシアのモスクワ大学の心理学者、ヴィクトル・ライコフは、被験者に強い自己暗示をかけることで「芸術的才能を開花させることができるか」をテーマに、ユニークな実験を行いました。  ライコフは、普通の大学生に催眠術をかけ、「自分は16世紀の天才画家、ラファエロだ」という暗示を与えました。すると、その学生は催眠状態のなかでラファエロになりきり、目覚めたあとも驚くほど高いレベルの絵が描けるようになったのです。  同様の実験を楽器演奏でも行ったところ、やはり学生の演奏技術は飛躍的に向上しました。  この現象は「ライコフ効果」と呼ばれ、暗示によって一時的にでも「理想の自分」に近づく能力が引き出されることを示唆しています。

 つまり、たとえ緊張や不安に弱い“豆腐メンタル”でも、「私は本番に強い」「私なら冷静にやり遂げられる」と、ポジティブな自己暗示をかけるだけで、気持ちが切り替わり、メンタルも自然と強くなっていく可能性がある、ということです。  憧れの人や目指したいモデルがいるなら、ぜひその人のことを強く思い浮かべてみてください。そして、「私はスティーブ・ジョブズだ」「私は大谷翔平だ」と暗示をかけるのです。 ● 暗示や暗唱をするだけで “理想の自分”に近づける  なりたい自分を思い描くのもおすすめです。  たとえば、プレゼン前に「自分はTEDスピーカーだ」と暗示をかけてみる。人前に出ると緊張するなら、「私はステージの上で輝いている」と心のなかで唱えてみる。  すると、不思議なことに、体の動きや声のトーンが自然と、思い描いた理想の自分に近づいていくのです。  これはけっしてオカルトではなく、心理学の「行動が感情をつくる(行動フィードバック仮説)」と一致しています。  自己暗示のパワーを最大限に活用するコツは、けっして疑わないことです。「大谷翔平になれるわけなんてないよ」なんて思えば、暗示は働かなくなってしまいます。  それどころか、「自分にはできるわけない」「どうせダメだ」という負の暗示にとらわれてしまう恐れすらあります。信じるものは救われる、という言葉もありますね。  誰に発表するわけでもないのですから、理想の自分や憧れの人物が今の自分とかけ離れていたとしても恥ずかしがることはありません。  きっとなれる、と信じること。なりたい自分を先取りすることで、その姿に自然と近づいていける。それが暗示とイメージの力です。  こうした暗示やイメージは、朝の支度中や通勤中、トイレに立ったときなど、ほんの数秒のすきま時間にできるのも魅力です。

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