「台湾有事」に備える米軍事スタートアップが開発、「自律型貨物機」の性能(Forbes JAPAN)

Grid Aero(グリッド・エアロ)は、低コストで長距離飛行が可能な自律型貨物機を開発し、それらを多数連携させて運用する仕組み(フリート化)を目指している。米軍の補給を遮断するために設計された中国の防衛網を出し抜くためだ。 ■台湾有事で露呈する米軍兵站の脆弱性 米国防総省は、中国との台湾をめぐる戦争の可能性に向けて、難題に取り組んでいる。それは、数千キロの海を越えて、どうやって遠く離れた場所にいる最前線の部隊に物資を届けるかだ。敵軍は、米軍の鈍重な輸送機・艦船を破壊するために設計した多数の長距離ミサイルを保有している。 ■既存技術の限界から生まれた貨物専用という着眼点 Grid Aeroが提示する解決策は、逆転の発想だ。同社はカリフォルニア州サン・リアンドロを拠点に、安価で小型の自律型貨物機を開発。これを大量投入することで、中国による高額な対空ミサイル攻撃を、経済的に割に合わないものにする戦略だ。「物資を輸送するための安価で小型の自律型航空機を大量に投入すれば、中国側が1発あたり100万~200万ドル(約1.5億~約3億円。1ドル=147円換算)もする対空ミサイルを使って撃ち落とすのは経済的に見合わないことになる」と考えている。 シリコンバレーでは、数多くのスタートアップが、兵員や物資の輸送のための新たな方法を国防総省に提案しようとしている。Grid AeroのCEOのアーサー・デュボアは、過去に2つの企業でその仕事に携わってきた。そのうちの1つは、既存の航空機にロボット頭脳を搭載して無人飛行を可能にしようとしたXwingだ。もう1つは、同社を昨年買収したJoby Aviationで、垂直離着陸が可能な電動航空機を開発している。 しかし、デュボアは、「いずれの方法も、航続距離や積載量、価格のバランスがとれていない」と判断し、Grid Aeroを創業した。彼が発案したのは、貨物専用に設計されたパイロットなしで飛行する航空機で戦場を埋め尽くすというアイデアだ。そのための大規模な製造プラットフォームを作れば、1機あたりの価格を大幅に抑えられるとデュボアは考えた。 Grid Aeroは8月18日、ステルスモードを脱し、わずか6カ月で製造した試作機の「リフター・ライト」を発表した。「空のピックアップトラック」のような存在とデュボアが呼ぶこの機体は、1000~7000ポンド(約454キロから約3175キロ)までの貨物を搭載可能で、航続距離は約2000マイル(約3219キロ)とされる。これによりグアムの米軍は、有事の際に最前線になると予想される第1列島線内の拠点に物資を補給できる設計となっている。 Gridは、Calibrate VenturesとUbiquity Venturesが主導したシードラウンドで、これまで600万ドル(約9億円)の資金を調達した。同社はまた、空軍から120万ドル(約1.8億円)の助成金を獲得。これは、自律航空機が地上クルーや航空管制との連携方法を検証するためのものだ。

Forbes JAPAN
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