巨人の石川達也が初安打・初打点・初白星、5年ぶり開幕3連勝に貢献「拾ってくれ感謝」 : 読売新聞

プロ初勝利をあげ、ウイニングボールを手に笑顔を見せる石川(30日)=片岡航希撮影

 巨人3―0ヤクルト(セ・リーグ=30日)――巨人は5年ぶりの開幕3連勝。二回に石川の適時打などで先制、八回に代打大城卓の適時打で加点。移籍後初先発の石川がプロ初勝利。ヤクルトは打線が振るわず。

 開幕3連勝を飾った巨人のこの日の立役者は、二つの記念球を手にお立ち台に現れた。左手にプロ初勝利、右手にプロ初安打初打点のボールをしのばせ、「本当にうれしい。自分を拾ってくれた巨人の皆さんに感謝したい」と石川。昨季限りでDeNAを戦力構想外となった26歳の左腕が、移籍後初登板で大仕事だ。

3回2死2、3塁、西川を空振り三振に抑えほえる石川=片岡航希撮影

 立ち上がりから勝負球を臆せず投げ込んだ。打者の左右を問わずに110キロ台のチェンジアップを使い、140キロ台の速球との緩急で相手打線を 翻弄(ほんろう) 。疲れが見えた五回一死一、二塁ではカットボールなども交えて赤羽、西川を抑え、5回無失点でしのぎ切った。

 とりわけ威力を発揮したチェンジアップは、自身も使い手だった杉内投手チーフコーチが「腕の振りがとにかく強いのに球が抜ける。打者は待っていても前に出され、なかなか打てない」と評する。昨季まで左打者に投げるのは苦手意識があったが、背水の決意で臨む今季は割合を大幅に増やしている。これが新たな引き出しとなり、開幕ローテーション入りを引き寄せた。

2回2死満塁、先制の適時打を放つ石川

 そんな石川は横浜高時代、中軸を担ったこともあるという。二回二死満塁で迎えた初打席で高橋の速球をとらえ、試合の均衡を破る左前適時打。「バットの先っぽだったので手が痛かった」と苦笑したが、自らも助ける大きな先取点をたたき出した。

 「まさか、開幕3戦目で投げるなんて想像もしていなかった。これからも目先の一戦一戦をしっかり勝っていきたい」と石川。1、2戦目で活躍を見せたキャベッジ、甲斐に続く新戦力の台頭は、連覇に向けて底上げが求められるチームにとって明るい材料となりそうだ。(佐野司)

  巨人・阿部監督 「(石川は)何とか粘って、あそこ(五回)までいってくれた。(開幕3連勝は)出来過ぎ。長いシーズン、こんなにうまくいくわけがない。もう1回、締め直したい」

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