レッドブル惨敗の要因─フェルスタッペン、マルコ主張に懐疑的…F1ハンガリーで無登壇4戦連続
レッドブル・レーシングは2025年F1第14戦ハンガリーGPで、マックス・フェルスタッペンが9位、角田裕毅が17位と、昨年のドライバーズ選手権を制したチームとしては、想像を絶するような不振に沈んだ。
4戦連続で表彰台を逃したフェルスタッペンは、週末を通じて様々なセットアップを試みたが「状況を好転させることはできなかった」と語り、チーム代表のローラン・メキーズも「何か非常に重要な要素を欠いていたのは確か」と厳しい現状を認めた。
ハンガロリンクでのRB21の競争力不足の原因について、フェルスタッペンが予選後、クルマに根本的な問題があると指摘する一方、英専門誌『Autosport』によれば、チームのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは決勝後、「タイヤ」にあると主張した。
フェルスタッペン(レッドブル)はスタート直後、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)にポジションを奪われるも、2周目のシケイン(ターン6/7)で奪還。さらに翌周にはランス・ストロール(アストンマーチン)を攻略し、8番手まで浮上した。
だが、18周目のピットインが裏目に出た。これは上位10台の中で最も早いタイミングでのストップだった。
アストンマーチン勢やガブリエル・ボルトレート(ザウバー)、レーシング・ブルズ勢らが1ストップ戦略を見据えてスティントを伸ばす中、フェルスタッペンはトラフィックに放り込まれ、身動きが取れず、48周目に2度目のタイヤ交換を実施するも、再びローソンの背後で足止めを食らい、最後まで順位を上げることは叶わなかった。
マルコは「オーバーテイクがかなり難しかったため、1ストップの方が正解だったのだろう」と認めつつ、仮に1ストップ戦略を採っても「5位か6位」が精一杯だったとの見解を示した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ポジションを争うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2025年8月3日(日) F1ハンガリーGP決勝レース(ハンガロリンク)
根本的な問題としてマルコが指摘したのは、「タイヤが適切な作動温度域に入らなかった」点だ。「原因は把握できていると思う」とし、機械的・空力的なセットアップのミスマッチがタイヤを適切に機能させられなかった原因だと説明した。
角田裕毅を含めた両ドライバーが一貫して「グリップ不足」を訴えていたことからも、ハンガロリンクでのRB21のパッケージがコース特性またはコンディションに適合していなかったことは明らかだろう。
ただし、マルコの説明に対し、フェルスタッペンは「そういうことにしておくのは簡単だけど、ちゃんと調べる必要がある」と、やや懐疑的な立場を取っている。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージで出走準備をするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP予選(ハンガロリンク)
メキーズ「根本的な競争力が欠けていた」
メキーズもまた、週末全体を通じて「根本的な競争力が欠けていた」との認識を示した。「FP1の最初の1周目」から既に兆候があったとし、「あらゆる手段を講じたが、上位で戦うために必要なパフォーマンスを見出すことができなかった」と語った。
ピット戦略についても、「十分なパフォーマンスがなかったため、順位を左右する決定打にはならなかった」と分析。角田に関しては、マシンの競争力不足に加え、ピットレーンスタートというハンデもあり、「大きく順位を上げるのは不可能だった」とした。
それでもメキーズは、週末を通して収集したデータは今後に生かせるとし、「今回のような週末こそ、多くの学びがある。サマーブレイクの間に徹底的に分析し、必ず乗り越える」と力強く語った。
2025年F1第14戦ハンガリーGPでは、3番グリッドからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)が今季5勝目を達成。2位にチームメイトのオスカー・ピアストリ、3位表彰台にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続く結果となった。
F1サーカスはこの後、サマーブレイクを迎える。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは、8月29日のフリー走行1で幕を開ける。