【ゴルフ】池村寛世 新婚さんV キャディーの妻と二人三脚で3年ぶり頂点「チャンスあると思っていた」
◇男子ゴルフツアーリシャール・ミル・チャリティー最終日(2025年8月3日 石川県 能登CC(7142ヤード、パー72)) 3位から出た池村寛世(ともよ、29=フリー)が1イーグル、6バーディーの64をマークし、逆転で3年ぶりのツアー優勝を果たした。通算3勝目で、キャディーを務める妻・琴音さんとの昨年5月の結婚後は初Vとなった。今大会は能登半島地震の復興支援を目的とした新規大会で、賞金の5%を被災地支援のために寄付する。初日から3日目まで首位をキープしていた河本力(25=大和証券)は2打差の2位に終わった。 後半の逆転劇で3勝目をつかんだ。13番のティーショットを打つ前に池村がリーダーボードを見ると、トップとは3打差だった。13番で4メートルを入れてバーディーを奪うと、火が付いた。14番パー5、第2打残り255ヤードを7Wで振り抜いてピンまで12メートルにつけ、見事に沈めてイーグル。一気にトップに躍り出た。そのまま最後まで首位を守り抜き、優勝が決まるとキャディーを務める妻・琴音さんと手をつないで喜び合った。 「ビッグスコアが出るコースなので、チャンスはあると思っていた。後半は運も味方してくれ、イーグルは全てがうまくいった」 妻の“スーパーポジティブ”に助けられた。池村はこれまでスコアを落とすと、感情的になることが多かったという。ただこの日も「もったいない。引きずってたら一日ダメになる」と背中を押され、最後まで平常心を保ち続けることができた。 8月3日は2人にとって意味のある日だった。8月生まれの池村と3月生まれの琴音さん。2人の間で「83」は車のナンバーに入れるなど、大事にしている数字だった。ホールアウト後に琴音さんが「うちらの日じゃん!」と気づき、さらに特別になった。 今後はアジアツアーに参戦しながら、日本でも複数回優勝を目指す。「賞金王争いを2人で頑張りたい」。これからも夫婦二人三脚で歩んでいく。 ◇池村 寛世(いけむら・ともよ)1995年(平7)8月30日生まれ、鹿児島県出身の29歳。実家はサツマイモ農家で、10歳でゴルフを始める。尚志館高1年時に国体少年男子個人で優勝。翌年にオーストラリアに約半年間留学。帰国後、高校を中退し、アジアツアーのQTに挑戦してプロ転向。17年に初シードを獲得し、21年「ISPS HANDAガツーンと飛ばせ」でツアー初優勝。22年の「ASO飯塚チャレンジド」で2勝目。1メートル66、72キロ。 ▼3位・古川龍之介 最後まで順位を意識して、終盤はボギーを打たず上がれたのは良かった。良い1週間だったけど悔しい優勝争いだった。(自身初&福島県勢初Vならず) ▼7位・蝉川泰果 少しずつ詰めてきている中、8番のボギーから流れが狂ってしまった。(首位と3打差から出るも、ツアー通算6勝目に届かず) ≪18番で最少スコア 泰雅に賞金1600万円≫今大会4日間を通して18番で最少スコアを出した長野泰雅にツアーホール賞として、賞金1600万円が贈られた。初日と最終日にイーグルを奪って通算5アンダーの単独トップで、副賞として史上最高額の賞金を独り占め。大会は37位に終わったが「めっちゃうれしかった。ピンしか狙ってなかった。時計を持っていないので、買おうかな」と喜んだ。